孤独の砂

手のひらにすくった砂は
滑らかに指の間を抜けて行った
柔らかな感触がなんだかもどかしくて
力強く握ったら
途端に興ざめした
硬くて野暮な日常
射すような光が鋭角に反射した

両手に盛った砂が
手の間からすり抜ける
心地よい感触のあと
軽くて冷たくなった両手
砂山に突っ込んだ手は
呼吸を止めた
"熱い"と言って
蹴り飛ばした砂は
柔和な影をつくって泣いていた

孤独の砂

孤独の砂

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-13

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