HEARTS


昔々のそのまた昔、あるところに小さな王国がありました。
その小さな王国の外れには深い深い森があり、森には悪い魔物がすんでいました。近くの村をおそっては、人を食べてしまうおそろしい魔物です。困り果てた人々は小さな国の王様にうったえて、王様は魔物を倒すように命令を出しました。多くの勇ましい戦士やかしこい魔法使いが、悪い魔物を倒そうとしましたが、誰ひとりとして成功した者はいませんでした。
そしてあるとき、一人の聖女さまがとうとう魔物の王を封印しました。魔物の王はとても強く、聖女さまの力をもってしても完全にほろぼすことはできませんでしたが、聖女さまは魔物の王の心臓をうばって封印したのです。
封印とひきかえに力を使いはたした聖女さまは死んでしまいましたが、これでようやく悪い魔物がいなくなったのです。王国は平和になり、人々は聖女さまへの感謝の気持ちを込めて国中に教会を作ったそうです。
そして時は流れに流れて、小さな王国が千年王国と呼ばれるようになるほどの時間が経ちました。

  ***

とある王国のとある道を二つの小さな人影が歩いていました。
ひとつは金の髪に赤い目をした少年で、その少しあとをついていくのが金の髪に青い瞳の少女でした。おたがいに口数は少なく、しかしつかず離れずの距離で二人は歩きます。
太陽は天のまんなかを通り、二人が歩く道はどこまでも続くかのようにまっすぐでした。
二人がいつから旅をしていたのかはわかりません。いつのまにか二人でいて、旅をしていたのです。そもそもどこからきたのかも覚えていませんでした。どこへ向かうのか、何のために向かうのか、それすらもはっきりしていませんでした。あえてあげるなら、王国じゅうを見てまわるため、なのでしょうか。
豊かに実る麦畑が広がる土地を歩いたこともあれば、門番のいる大きな橋を渡ったこともあります。川の中の小島にある街を訪ねたこともあります。古い風車のある村や、豪華なお屋敷が立ち並ぶ都に行ったこともありました。
二人の旅は続きます。
世話をしてくれる大人はおらず、ろくな荷物すらありません。町から町へ、あるいは村や都へ。二人は歩きます。
雨が降ればどこかの家の軒先を借り、夜が来れば教会や空き家で身をよせて休みます。少女は占いをすることができましたから、町にでも行ったときにそれでわずかにお金をかせぐか、さもなければ少年が店先から食べ物を盗んでようやく生きているような暮らしです。子供二人にとっては大変な生活でしたが、それでも二人は旅を続けていました。

   ***

あるとき、二人は大きな町にある市場にやってきました。都にほど近いその町では、いつでもにぎやかなバザールが開かれています。近くの町から届けられた野菜や外国の珍しい果物、美しい織物に宝石、骨董品などの店が所狭しと立ち並んでいます。人々のざわめきと売り子の威勢のいい呼び声が広場にあふれていて、肉料理の屋台からはたいそういい匂いがただよってきていました。
二人の目の前の店で、買っておくれ、と服屋の売り子が呼びました。都で流行りの格好良い上着だよ、と売り子の若者は声を張り上げます。服屋の女店主は少年に無理やり上着を着せかけようとしましたが、しかし二人があまりお金を持っていないと知ると表情が変わりました。
金がないなら話にもならないな、さっさとどこへでも行っちまえ、口汚い言葉で売り子は言いました。
脇から現れた、大きな財布をもった裕福そうな太った男が二人を押しのけて喚きました。売ってくれ、いくらでも払うから何でもいいから売ってくれ、と。太った男の目はぎらぎらと、銅貨のように光っていました。それに返事をする服屋の店主の視線は太った男が身に着けている宝石にくぎ付けでした。
二人をそっちのけで男の買い物が始まったので、少年と少女はその場を去りました。

   ***

表の広場の活気とは反対に、路地裏は暗く湿った空気に満ちていました。地面にはがらくたやごみが散らばっていて、わきに置かれたごみ箱には残飯が放り込まれており、野良猫やねずみがそれを荒らしていました。
そしてそこには一人の痩せた男がうずくまっていました。すりきれたコートをまとった、灰色の目をした気難しそうな男でした。男の傍らにはぼろぼろの本がたくさん積まれていて、灰色の小さな子犬が寄りそっていました。
男が手招きをしたので少女がそばにいくと、彼は水を一杯くれないかと頼んできました。見ると男はひどく弱っていて、どうやら何日も食べていないようでした。少女が自分の水入れを取り出すと、男は自分のカップを差し出してきましたので、少女はそれに水をついでやりました。
水を飲みほした男は大きく息をはきました。
ここでは人間は欲しくて欲しくてたまらなくなるのだ、と痩せた男は言いました。
あんたは何を欲しがったのか、と少年が声をかけました。
知識欲だ、私は知りたくて知りたくて仕方がないのだ、と痩せた男は息をつきました。
分からないことは苦しみか、とふたたび少年は男にたずねました。
分からないことはある意味で幸福だが、知るべきことを知らない自分に我慢がならないのだと男は答えました。知ることへの飢えは治まらず、お前の瞳がなぜ赤いのか、私はとても知りたいが、でももうこれ以上は知ることもできないな、と彼は言いました。
痩せた男にはもうお金も時間もありませんでしたから。空になったカップを地面に置くと、彼は灰色の子犬を指さしました。あいつを連れて行ってくれないか、とても賢い犬だから。それと、君たちは「欲」にとりつかれてしまう前に、早くこの町を出た方が良い、と彼は言いました。
少女が礼を言うと痩せた男は満足そうに微笑み、目を閉じました。
それから二人は路地裏を後にしました。その後ろを灰色の子犬がとことことついていきました。痩せた男のほうを振り返り振り返りしながら、子犬はあるいていました。見かねた少年が、お前の好きにしな、と言ってやると子犬は急いでもう動かない痩せた男の方へとかけていきました。少女は少しだけ残念そうな顔をしましたが、それだけでした。

   ***

ある寒い晩のことです。
少年と少女の間には、あかあかとたき火が燃えていました。かげろうのようにゆれる炎が二人の顔を照らし出し、その後ろの森では反対にもの言わぬ闇がみちていました。
膝をかかえていた少年が身震いをしました。
少女がそっと立ちあがり、少年の隣にすわりなおしました。さむいのか、と少年が少女にききました。少女はひとつ頷くと、少年の冷えた手をとって自分の手でさすりました。
凍える夜にやっとみつけるたき火のようなあたたかさもあるし、春の日差しのなかに感じるあたたかさもあるわ、と少女は言いました。
少年が顔をあげて見上げた木々の梢のむこうでは、静かに満天の星が光っていました。

   ***

あるとき、二人は国のはずれにある町にやってきました。それほど大きくはありませんが、古くからある町でした。町の中心には白いレンガづくりの古い教会と広場がありました。広場のまわりの建物はみな白土で焼かれたレンガで作られており、人々は町のまんなかにある広場を、白の広場という名で呼んでいました。
なぜかこの日、広場のまんなかにはたくさんの荷物が集められていました。町の人々も何やら忙しそうに準備をしているようでした。荷車に積まれた穀物の袋や野菜、つながれた馬、羊は二十頭もいたかもしれません。別の荷車には装飾のある衣装箱や調度品が載っていました。広場をぐるりと囲む柱にはクローバーの葉と花を模した飾りが帯のようにかけられていました。
何かおまつりでもあるのですか、と少女は近くで馬を支度していた御者の男に尋ねました。
いえね、結婚式があるのですよ、と彼は答えました。男は道具を布で磨く手は動かしたまま、この町ではなくて隣町なんですけどね、と続けました。
聞けば、この町は昔からある立派な町だけれども、今ではすっかり貧乏で隣町の大金持ちの老人にたくさんのお金を借りているのでした。今度その隣町の老人と、この町の領主の年若い娘が結婚することになったのでした。
広場にあるのは全部結婚相手への貢ぎ物だよ、と御者はため息をつきました。

ふいにそのとき、ガラーンガラーンと教会の鐘がならされました。建物に似つかわしく、古ぼけた音でした。
御者はあわてて道具を片付けると馬車の方へ走っていきました。音を聞いた人々は仕事の手をやめ、あるいは建物から出て次々と広場に集まってきました。二人は誰かが、お嬢さんが出てきたぞと言ったのを聞きました。
皆が見つめるなか、教会の向かいにあった建物の扉が開きました。
着飾った子供たちに腕をひかれて出てきたお嬢さんは、古めかしい意匠の婚礼のドレスに身を包んでいました。襟元も裾も白いレースと作り物の花飾りで飾られて、陶磁人形のように美しい顔を、薄霧のようなベールが包んでいました。
町の老婆が、亡くなった奥様に瓜二つだとおおげさにうなずいていました。

町の人々みんながお嬢さんの晴れ姿を見つめていました。
二人の脇をすり抜けるようにして、女の子が走っていきました。お嬢さんに駆け寄った女の子が、花嫁衣装の袖を少しひっぱりました。促されるままに屈んだお嬢さんに、クローバーの花冠が差し出されました。
幼い手で編まれ、少しいびつな形の花冠をお嬢さんはほほえみながら受取りました。
お姉ちゃん、どうしても行ってしまうの、と女の子がたずねました。
お嬢さんはただ黙って、頷くばかりでした。
あんなやつのところになんか行かないでよ、泣き顔になって女の子が言いました。
お嬢さんは顔を隠すベールを外し、代わりにつややかな黒髪の上に、みずみずしいクローバーの花冠を載せました。
冠をありがとう、それだけで私は幸せよ、とお嬢さんが言いました。

やがて、出発の時を告げる鐘がならされました。
白いドレスをまとったお嬢さんは美しい銀の格子の馬車に乗せられて、白の広場をあとにします。残されたベールを握りしめて、女の子は泣きながらそれを見送っていました。
格子の窓から、花嫁のお嬢さんは町の人々に向かってどこか悲しそうなほほえみを浮かべました。その瞳は冬の空のように曇っていました。

それまでじっと見ていた少年がポツリと、灰色だ、と言いました。

  ***

ある夜のことです。その日、少年と少女は打ち捨てられた古い教会で休んでいました。その村にはもう人はおらず、崩れかけた建物しか残っていなかったからです。
暗がりの中で、二人は並んで祭壇のふちに腰かけていました。上を見上げると、大きな絵が飾ってありました。そこには、少女のそれによく似た、冬の湖のような青い目をした美しい聖女さまが描かれていました。

   ***

遠い遠い昔のことです。
あんたはなんだかさびしそうね、と彼女は言いました。
彼は何も答えませんでした。

   ***

少年と少女の旅は続きます。
荒れ野をどこまでものびる街道の、石畳の上を二人は歩きます。わずかな風が少年と少女、どちらの金の髪もゆらして去っていきました。
これだけ歩いてきたけれど、やっぱり分からない、と少年がこぼしました。
それでもかまわないわ、少女はやさしく言いました。
少年はふいに少女の明るい色の髪を日輪がいろどるのを見て、火のように赤い目をしばたかせました。
太陽は真南をさし、二人の足元に短い影をおとしました。

   ***

あるとき、二人は貧しい村にやってきました。そこではひどい日照りが続いていて、夕方だというのに太陽はじりじりと地面を照りつけていました。畑の作物はからからになってちぢこまり、川は干上がって赤茶けた泥の川底が見えているほどでした。
人々の目はみなおちくぼんでいて、誰もが疲れた顔をしていました。
どうか今日一晩とめてください、と少女は村の家を訪ねて回りました。しかし、どの家も少女たちをもてなそうとはしませんでした。ある男は二人を怒鳴って追い返しました。ある家ではノックをしてもドアを開けてもくれないこともありました。お前たちに売る食べ物も水もない、どうしてお前たちを泊めてやらなきゃいけないんだい、といらだった声が返ってくるばかりでした。馬屋でいいんです、と少女は頼むのですが誰一人として聞きいれてくれる人はありませんでした。
あるおばあさんは少女の後ろに立つ少年の赤い目を見て、薄気味悪そうな顔をして言いました。あっちへ行っておしまい、この魔物の子供め!そうしておばあさんはドアを閉めてしまいました。
とうとうすっかり日が暮れてしまったので、二人は泊めてもらうことをあきらめて、村はずれの墓地のそばにある小さな小屋のかげで休むことにしました。お腹がすいていましたが、少年と少女は乾いた地面に横になって眠りました。

   ***

明け方のことです。
人が近づいてくる足音で少年は目をさましました。起き上がって見てみると、そこには若い女と男がいました。二人とも埃に汚れた服を着ていて、見たところ夫婦のようでした。
男は怒りと悲しみがないまぜになったような苦しそうな表情をしていて、女の方は涙でぐちゃぐちゃになった顔をしていました。そして二人はその手に石を持っていたのです。
物音に目がさめた少女が気付いた時には、もう石は投げられて少年にぶつけられていました。
お前のせいだ、と女が喚くように叫びました。悪魔のせいで私の娘が死んだんだ、と泣きすぎて赤くはれた目で少年をにらみつけました。
少年には理由がわかりません。少年には彼らの娘に何かしたおぼえはありません、ただ無言でその場を動こうとしませんでした。よけるということを考えもしませんでした。だって、理由がわからなかったのです。
お前さえこの村に来なければ、そう言って男と女は石を投げつけるのでした。
慌てて少女が止めに入りましたが、彼らは聞き入れてくれません。いつの間にか騒ぎを聞きつけたほかの村人たちが集まってきていました。はじめは複雑そうな顔で見ていた村人たちでしたが、そのうちに誰かが石を投げました。
災いをよぶ魔物め、出ていけ、と誰かがつぶやきました。
少年の赤い瞳は黙ってそれを見つめていました。少女が少年をかばおうとして村人の前に立ちました。彼らは口々に二人を罵りながら石を投げるのでした。
少女は、悲しくてしかたがありませんでした。石は雨のように二人にふりそそぎました。
それでも少女は少年を村人たちからかばおうとしました。狂ったように泣きそうな顔で村人たちが石を投げました。
彼らにも、もうどうすればよいのかわからなかったのです。
ひときわ大きな石がぶつけられ、とうとう少女は倒れてしまいました。

   ***

少年はそれをじっと見ていました。
少年は不思議でなりませんでした。なぜ少女は自分をかばったのだろうと。少女は傷だらけで倒れていました。
少年には「痛み」がわかりません。なぜなら少年には「心」がないからです。石をぶつけられたことはわかっても、それを悲しいとは思えません。
少年に「痛み」は感じられません。
なぜそんな自分を少女がかばったのか、わかりませんでした。少女は少年をかばうべきではなかったのだ、と思っていました。
ただ、倒れたまま動かない少女を見て、まだ石を握りしめている村人たちを見て、少年が感じたのは「怒り」でした。
それまで動かなかった少年が、びくりと身じろぎをしました。それを見た村人たちはなぜかおそろしい気持ちになったのです。
次の瞬間に、少年は吠えました。
まるで魔物の遠吠えのようなそれにおそれをなして、村人たちは石を投げ捨てて逃げ出しました。
最後の一人が悲鳴をあげながら走り去り、静かになったそこには少年と少女しかいませんでした。

   ***

やがて、雨が降りだしました。
空から落ちる雨粒は地面を濡らし、二人を濡らしました。恵みの雨となるはずの空には、黒く重苦しい雲がたれこめていて、再び夜になったようにもに思われました。
少年は動けない少女を連れて村を後にしました。
細い雨が降っていました。
森の中で、誰も来ない場所に少年は少女を連れてきました。深森の中でもさらに森の奥の、森で一番大きな木の生えている場所です。
木の根元のなるべく濡れていないところを選んで、そこに少女をよりかからせました。
少女はからだのあちこちにたくさんけがをしていて、額と腕からは血も出ていました。少年の方も石をぶつけられて、あざや切り傷だらけになっていました。
どうしてかばったのか、と少年はたずねます。気を失っているのか、少女は答えません。
だって、自分は「魔物の王」なのに。
少年は一人考えます。魔物は悪いものであるから、村人にとって確かに自分はおそろしい災いを呼ぶものなのでしょう。石をぶつけられ、出ていけと言われるのも当然のことでしょう。
魔物であるからには、村人たちに逆におそいかかって食ってやるのもよかったかもしれませんが、あいにくとそのための力は封印されてうばわれてしまっていました。
ただ、だからと言って、別に少女にかばってもらおうとは思っていなかったのです。
少年は少女に寄りそっていました。まだ雨は止みません。少女なら方法も知っているのでしょうが、少年は傷の手当のしかたを知りませんでした。しかたなく、泥と血に汚れた少女の体をぬぐってやることがせいぜいでした。
心なしか少女の体が冷えてきている気がしました。胸に耳を近づけるとなんだか心臓の音が小さくなっているような気がしました。
お前も死んでしまうの、と少年はたずねます。少女は答えません。
梢から落ちた雨粒が、涙のように少女のほほをつたいました。
一緒にいてくれると言ったのはあんたじゃないか、と少年はつぶやきます。
少年の胸の中には「心臓」がありません。ずっとずっと昔に、力とともにうばわれてしまいました。だから、少年の胸からは心音がしないのです。
少女の心音は弱くなっていました。しかし弱まっていく心音とは別に、もう一つの心音が脈を打っていました。
少女には「心臓」が二つありました。彼女は自分の心臓を使って、魔物の王を封印したのです。
今、静かにひとつの心臓が止まりました。
ぐったりとした少女を抱えて少年は話しかけます。あんたがいないと、おれはきっと「悲しい」よ、おれの心臓でも命でもくれてやるから、あんたが生きてくれるなら、と少年の姿の魔物の王は願います。
それは彼が、自分以外の誰かのためにはじめて願った願いでした。
あんたがいなけりゃさびしいよ、と少年は言いました。
少女は何も答えませんでした。

   ***

そして、最後の雨垂れが少年のほほを濡らしました。そのとき、彼は驚くべきことに気が付きました。
自分の中に心臓があるのです。あたたかな心音が自分の胸から聞こえました。それから少女の胸で、もうひとつの心臓が再びやさしい音をたてているのを知りました。
一度少女の心音が弱まったおかげで二つの心臓の封印がとけたのです。
雨が上がり、森にさしこんだ日の光が二人に降りそそいでいました。
少年の腕の中で、少女がゆっくりと目をあけました。不思議なことに、湖の水のような青い色をしていたはずの少女の瞳が、明るい金色の瞳に変わっていました。
あなたはもう心臓を持たない魔物ではないわ、と少女は言いました。だってあなたにはもう、ちゃんと「心」があるもの、と。
傷だらけの少女は、傷だらけの少年を見つめました。
あなたの目もきれいな金色の目ね、お日様みたいね、そういって少女はほほえみました。

   ***

二人がそのあとどこへ行ったのかは誰も知りません。
聖女と呼ばれた彼女は、ようやくただの少女になり、ひとりぼっちの魔物の王はただの少年になりました。
魔法の力も何もない、けれど幸せな少年と少女になったのです。

HEARTS

ただ人間になりたかった彼女と魔物の王のお話。
二人が幸せになってよかった。王国はなんかこのままいけば退廃の一途で滅びそうですが。
世界観イメージ元は某ジブリ映画版ファンタジー小説とか、モトラド乗りの旅人さんの小説みたいな感じですかね。
キャラクターのイメージ元は特になかったんですが、
最後の瞳の色が変わる設定を追加したら某歌ロイドの双子っぽくなったなぁと思ったり。

HEARTS

ジャンル:無為ファンタジー。 ひっそりと穏やかに進む物語。爛熟しやがて衰退していくであろう世界を旅する少年と少女のおとぎ話。 結末は幸せなので安心して読める感じ。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-05

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

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