あの日の雪。
処女作です。
いつも通りの朝を迎える。
太陽にわだかまりを感じる。
温もりを感じ得ない。
そんな朝だ。
昨晩のあの事かな。
原因は。
コポはもういないんだ。
ああ、温もりそのものに執着できない。
そんな朝だった。
いつも通り仕事の支度をして、食事を作り、お気に入りのマフラーを巻く。
何故かホッとする。
そうか。こんな季節だったな。
あいつと初めて逢ったのは。
ココロのカーテンの袖からそっと顔を覗かせたあいつは、
少しだけ笑顔だった。
その笑顔にマフラーの温もりと太陽を重ね、
そして少し淋しくも感じ、
そっと部屋の入り口のドアを開け、
ふと、立ち止まる。
雪だ。
その瞬間、ココロのあいつに少し微笑みかけ、後ろ手にドアを閉めた。
さあ、今日が始まる。
またおれは前へ踏み出す。
一歩、一歩。
降りしきる雪を踏みしめながら。
あの日の雪。
少しでも心が暖かくなってもらえたら嬉しい。