夢の中の君に会う

[二美。
俺のことわかる?]
<だぁれ?>
彼はかわいいえがおをしながら
[また会えるよ]
と、ただ一言そういった。

ふさふさ___
体かかすかに揺れる。
目を開けるとお母さんがいた。
[二美。
起きて。朝だよ]
としゅわをする。
[わかった]
私…梦野二美(ゆめのふみ)
じゃ、耳が聞こえない。
小さい頃は聞こえていたんだけど、事故で聞こえなくなってしまった。
手術を受ければ直るかもしれないが私は受ける気がない。
だって…一度も耳が聞こえればなんて思ったことがないから。

[いってきます]
[きおつけてね?]
障害をもっているからといって両親は普通の学校にムリにでも私をいれた。
ドン___
「ごめっ」
謝った彼は……
夢の中であった彼に、にていた。
「これ、落ちたよ?」
口の動きが早すぎてなにをいっているのかわからなかったが
てに持っている本で拾ってくれたのがわかった。
[ありがとうございます]
なにかに気づいたのかメモになにかを書いた。
[君。耳聞こえないの?]
その文字にコクンとうなづいた。
彼は笑顔で
[同じ高校だね。
一緒にいかない?]
と、手話をした。
[手話…できるの?]
[うん。
俺の妹も耳。聞こえないんだ]
[そっか]
[行こっか]
私のてを引っ張る彼。
なんで私…ドキドキしているんだろう

夢の中の君に会う

夢の中の君に会う

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-12-31

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