誤字

誤字


私の頭の中には

『失踪』

この二文字がいつも頭の右側にある。


子供の頃からプチ失踪をしていた

例えば、家のクローゼットの中に隠れて寝ていたり、学校に放置されていた壺のような物の中に隠れてみたり田んぼで野宿しようともした

子供じみた現実逃避である。


考えが大人になっていくにつれて
失踪したいと思っても行動に移すことは少なくなった


そうこうしているうちに
失踪するタイミングを完全に見失ってしまった


いつの間にか何年か先の予定まで決められていたような気分だった。


タイミングとか関係なく消えたいと思った瞬間に消えればいいのに



このまま進学して就職なんかしたら失踪するタイミングなんてどこにもないだろうと思い始めた私はある人に相談のメールをした


恐る恐る「失踪したい」と言ったら
「疾走したいの?」と返ってきた


少し疾走してみようと思う。

誤字

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短編です。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-12-30

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