喪
人の死は誰しも一度は迎えるものです。
ある意味では卒業のようなものでしょうか。
死を悼むと同時に、卒業を祝うのとおなじような気持ちで
送ってあげるのも、必要なのではないでしょうか。
黒い服と黒いネクタイで集まる人達。
血や縁のつながりの濃淡に関わらず
一様に悲しげな表情。
花で飾られた壇。
綺麗に盛り付けられた料理と注がれる酒。
思い思いの言葉で語る人達。
流れる読経の声。
しめやかなBGMと冷静なアナウンス。
滞りなく進められる式。
その群れの中心に、
八十年の人生の最後に主役となった人が
最高の笑顔を見せている。
喪
80歳になる叔父の訃報を知らされた時に、
こんな情景が頭に浮かびました。
実際とはちょっと違った情景でしたが、、
死を嘆くのではなく、卒業のように捉えて
祝って送ってやるような、良い葬儀でした。
現代の儀式化した葬儀の中では、
嘆き悲しむ事も形式化しているように思えます。
それぞれの心に有る故人のイメージを大切にしながら、
お別れをするのも、良いんじゃないでしょうか。