人形物語
人形にする魔法が使える少年の話
人形遊び
ここに二つの人形がある。
一つは女性の人形、もう一つは男性の人形だ。
人形たちは余程大切に扱われていたのだろうか色褪せているが、目立った傷はなく静かに座っている。
この人形の持ち主である少年の後をたどろう。
少年は魔法の研究をしている両親からうまれた。両親は非常に優秀な研究家でありたくさんの財産を持っている。
しかし、この二人は財産を湯水の如く研究に費やすような狂信的な研究家であった。
研究家は少年を研究の合間の暇つぶしかのように産んだ。深い理由などなく強いて言えば世間体を気にしてなんていう大雑把で曖昧な考えで産んでしまった。
当然、少年に対する愛などなく世話も使用人を雇いそれに任せた。
ある日、少年は使用人に質問した。何故、両親は自分を見てくれないのだろうかと
使用人は答えることが出来なかった。後日、少年を憐れんだ使用人はせめてもの慰めにと男女の人形を買い、これを少年に与えた。
この人形を少年はとても可愛がった。これを両親と思い生活し、一緒に寝食を共にした。
次第に少年の心は壊れていった。
人形物語