恋しちゃいました!
はじまり
私は宮沢雪。この雪坂高校生に入学したばかり、これからどんな学校生活が始まるのだろうとドキドキしている時に現れたんです。一目惚れです。目は綺麗で透き通る様な髪そして、笑顔。最高です。入学式で私は恋をしちゃいました。貴方、神崎蒼に。
第1話 振り向いて
入学して2日目私は気分良く登校しています。だってここに来れば一目惚れしたあの神崎蒼に会えるのだから。
そんな事を思いながら辺りを見渡していると、後頭部に激痛が走った。その場にかがみ込み痛さに耐えていると目の前にサッカーボールが見えた。きっとこのサッカーボールが私の後頭部に当たったのだろう。サッカーボールを睨みつけていると後ろから駆け寄り「大丈夫ですか?」と言う声が聞こえて来て手を差し伸べられた。素直に受け取ると、手を差し伸べたのは私が一目惚れした神崎蒼だった。
「あ、蒼くん!?」
「え?なんで僕の名前…」
慌てて名前で呼んでしまった。
神崎蒼は目を見開き何故名前を知っているのというような顔をしていた。
そして、次の瞬間私はとんでもない事を言っていた。
「好きです!付き合ってください!」
私はどんな顔をしているのだろう。きっと真っ赤に違いない。
私は自分が今何を言ったのか自覚すると恥ずかしくなり俯いた。
「ごめんなさい。」
私は神崎蒼から言われた言葉に泣きそうになった。一目惚れとはいえ恋していたのだ。本気で神崎蒼に惚れていたのだ。なのに、ごめんなさいと言われた。フラれたのだ。覚悟はしていた。でも、どこかで期待していたのだ。泣きそうになるのをぐっと堪えた。
「いきなり変な事言って迷惑ですよね。私こそごめんなさい。」
私は涙を堪えるので必死で神崎蒼を見れなかった。神崎蒼はどんな顔をしているのだろう。気になる気持ちもあったが見れなかった。
「俺、恋とか分かんないで…。すみません。」
「振り向かせます。」
「ふ、振り向かせる?」
「諦められないんです。だから、振り向かせます。」
神崎蒼は呆れているだろう。フラれておきながら諦められないんだから。
「どうしてそこまでするんです?」
「私は貴方が初恋の人で一目惚れしたからです!」
私は反射的に答えていた。どうして今日はこんな事ばかり言えるのだろう。自分でも不思議だった。
「が、頑張ってください?」
私は戸惑う神崎蒼を指さしこう言った。
「絶対に振り向かせてあげますから!!!」
この台詞はその場に響き渡った。
神崎蒼は驚きながら微笑んでいた。
それすら緊張して、その場にいられなくなり立ち去った。
恋しちゃいました!