人生チート少年
「おはよーっ!」
そんな朝の挨拶が複数の場所から聞こえるここ南東中。
この物語は、南東中に通うことになった1人の少年の物語である。
チート少年の日常。
「おはよー。」
「おはよっ!」
そんな挨拶が行き交う普通の学校。
ここ南東中に通う豪間 奏 【ごうま そう】。
(あいつなんか今日無駄に体力あるな。)
彼には、決して人には見えぬものが見えている。
「奏!はよー。」
そう声をかけ立ち去るクラスメイト。
そんな彼の後ろ姿を見ながら奏は
「あいつ今日調子悪いのか?」
などと呟いていた。
彼には、他人の能力パラメーターや服などのカスタムが、ゲーム画面のようになって見えるのだ。
そんなことはもちろん知らないクラスメイトや同学年の生徒。
そんな、奏の事を唯一知っているのは、
「どうした。豪間、元気ないぞ?」
奏の担任である水谷 麗 【みずたに れい】であった。
きっかけはいろいろあり、その後も何かと問題が起こったが今では唯一の理解者である。
「何でもない。今日の服結構素材良いけどなんかあんの?」
麗の前では奏は言葉を選ばずに話せる。
学校内での唯一落ち着く人物だろう。
「あぁ、今日は職員会議だっからね。」
と麗は言い、話を変えた。
「ところで、今日見てもらいたいところがあるのだけど…。」
麗は奏が見えるのを理解しており、それを利用している、
その利用方法とは、痛んでる所や危なそうな所を奏に見せ、カスタムを弄り直してもらうことだ。
奏は見えるだけではなく、カスタムを自由に変更することが出来る。
人生チート少年