フューチャー・コントロール・セクション

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「そんなはずねえだろう?確かにここにあったんだよ。さっきまではっきりこの目で見てたんだからよう!」 「何夢みたいなこといってんだよう!このろくでなし亭主が、顔でも洗って出直しておいでえな!あんたみたいなぼんくらなもんは 、柱に頭をぶつけるぐらいが関の山で、富くじなんかには金輪際当たりっこないんだよ。馬鹿なこと言ってないで、さっさと仕事に行ってきな!」左官職人の佐吉は神棚の上をもう一度見回し、箪笥の裏側や畳の隙間を覗き込み、自分の懐に何度も手を突っ込んでみたが、見当たらなかった。朝飯を食う前に
神棚の小さな器に炊き立ての飯を盛り、その横にある昨日買ったばかりの近くの神社の富くじをまっすぐに置きなおして、「どうか当たりますように・・・。」と柏手を打って拝んだ後、女房のお勝つと朝飯を食べ終わって、出かける前に、もう一度神棚に手を合わせ、今日一日の無事を祈ろうと目をやると、さっきまであった富くじの短冊が、忽然と姿を消していたのである。



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雪の舞い落ちる、人通りの絶えた大川の橋の上で、一人の若い女が、連れていた幼い二人の子供を両脇に抱え、橋の欄干に身を乗り出そうとした瞬間、急に思いとどまったのか、動きを止めた。そしてあたりを見回し、限りなく落ちてくる雪の空も見上げて首をかしげていたが、再び子供を抱えて欄干に近づくと、何かに驚いたように再び周りを見回す動作をした後、子供達をゆっくりと地面におろし、兄妹のうち男の子の懐に恐る恐る手を入れて、何か白い紙きれのようなものを取り出すと、それを大事そうに自分の懐に入れ、二人子の手を
引いて夜の闇へと消えていった。



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「エマニュエル!」「ハイ旦那様お帰りなさいませ。」「何か手持無沙汰だと思ったら、侯爵夫人の家にステッキをわすれてきたらしい。広場の入り口に止まっている馬車を呼んできてくれないか。あれは曾祖父からの由緒ある品ゆえ、なくしたら大変だ。今から取りに戻る。」「はい。かしこまりました。御夕食は如何なさいますか?」「帰りにどこかのレストランで済ましてくるよ。」「おい!御者。ちょっと止めてくれないか。」ベルネル伯爵は、降りしきる雪のシャンゼリゼ近くの路地で、地面に倒れて泣き崩れている若い女の姿を見つけ、駆け寄って抱き起した。そして、そのガス燈に照らされた女の顔の美しさに思わず息をのんだ、「あなたは、もしかして、さっき侯爵夫人の館に招かれていたヘルナンド伯爵と御一緒だったフェミーユ婦人ではありませんか。一体こんなところでどうなさったんですか?」女は、乱れた髪に積もった雪を手で払いもせず、涙ながらにこう訴えた。「私、あの方に捨てられたのです。まるで紙屑のように、もう行くところもなく、生きる希望も失いました。もうこのまま、ここで雪に埋もれて死ぬ運命なのです・・・。」そう言って、泣き崩れた。「とりあえず、あなたのような美しい婦人をこんなところに放ってはおけない。とりあえず私の館で体を温めた後、今後のことを考えられては、及ばずながら、私で良ければあなたのお力になりましょう。」

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「おい、見てみろ。べルネルの傍にいるのはフェミーユじゃあないかね?」「ああ、間違いない、一月ほど前はヘルナンドの女だったのに、いつの間に乗り換えたんだろう。」「その前は、宝石商のブルトンの持ちものだったらしい。北の地方の農民の娘で、娼婦館にいたところを、ブルトンの息子に気にいられ、そののち息子が風をこじらせ肺炎で死んだあと、父親のものになったという噂だ。」「女は美しければ、ただそれだけで、地位や財産を手に入れることができるということか。」「ベルネルのような男でも、財産と地位さえあれば、美しい女を手に入れることができる、ということでもある。」「しかし、どういうきっかけで、あんな美人を手に入れることができたのか知り
たいものだなあ。」「それに、あの女の身に着けている首飾りを見てみろ。ベルネルが先週のオークションで競り落とした、さる王家の所蔵していた時価数億もする代物さ。あの女は男を渡り歩くたびに財産を増やし、やがてはパリで一番の大金持ちになるやも知れぬ。」「しかし、地位や財産を得たとしても、それで幸福になれるのだろうか?」「それは誰にもわからんさ、神のみぞ知る、だね。」

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深い森の入り口で、二本足で立つある生き物が、目の前に広がる大草原の空に雷鳴をとどろかせながら黒雲が通り過ぎる風景を、じっと眺めていた。雨宿りをしているこの木の根元には、先ほど近くの茂みで見つけた、猛獣が食べ残した草食動物の残骸が横たわっていた。突然あたりが真っ白になって何も見えなくなった瞬間、その動物は全身に砕けちるような衝撃を受け、気を失ってその場に倒れた。しばらくして眼を開けた彼は、周りに食欲をそそるこおばしい匂いが立ち込めているのに気が付き見回してみると、落雷で焼け焦げた木の幹の上に、先ほどの獲物の残骸が湯気を立てながら陽の光の中に輝いているのを、眼にした。



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砂嵐が過ぎ去った町の通りに、荒れ野の方角から、枯れ木を杖に、砂にまみれた襤褸をまとった年老いた 盲目の預言者が現れ、取り囲む町の人々に向かって、かすれたとぎれとぎれの声で、喉をヒューヒューと鳴らしながら告げた。「・・・遥か天空の彼方のそのまた彼方の、そのまた彼方の、気の遠くなるような領域から・・・大いなる力が眼に見えぬ・・大いなる力が、すべての運命を定める大いなる
力が・・・音もなく届き、そしてすべてのもの事が決められるであろう・・わたしには分かる私には見える・・・その指が動きある点をさして、そのすべてを映し出す虹色の鏡を見つめながら・・・おお神よ、それはあなたの為せる技なのか、それとも・・それとも・・おお!おおお!・・私には見えたぞ・・お前たちの顔が・・私には見えたぞ・・・おおおおお・・!」そう言った瞬間、預言者は閉じていた眼を大きく見開き、杖を離すと、両手を大きく天に向かって広げまま、ばたりと地面に仰向けに倒れ、そして息絶えた。



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草一つ生えぬ荒涼とした、雲を貫く山の頂上に立ち、七色に輝く羽根飾りを頭に付けた呪術(まじない)士 はその顔に聖なる呪文を表す赤い記号を描き、右手に持った紫水晶をはめ込んだ杖を高々と頭上に掲げ、約束されたこの年この月、この日の、この夜のこの時刻に、輝く満天の星々の、ある星座の方向を見つめながらその時を待った。そして彼は見た。虹色に輝く大きな裂け目が星々で飾られた天井を真っ二つに分かちながら、その漆黒の底知れぬ深淵の奥から、偉大なる力と権威を秘めた、想像を絶するものが立ち現れるのを、その身を震わせその心を極限にまで狂わせるほどに、それが発する光輝く波動を全身に受けながら、彼はその(まなこ)を大きく見開いたままで、己の体が天空高く舞い上がるのを感じながら、口に聖なる呪文の言葉を(とな)え続けていた。「ブツエジュセヌウレ、ユセヌウレ、ウルサウゲフ、フイジュレニコジュイレシ( われは導かん、その聖なる力をもって、汝を、すべてのものを導かん、悠久の時の彼方より )・・・・」


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= 古代の名もなき詩人が大理石の碑に刻みし言葉 =


火と燃える巌にやがて水の時が訪れ、

彼方より運命を届ける白き尾を引く星が空に輝くとき

それは始まるであろう。

撚られた糸の如くに秘められた未知なる言葉をもって

それはやがてこの世のすべてを開く元となり

やがてはこの世の滅びる元となる。

その言葉はこの世に生きるものすべての運命をつかさどり

聖なるものの指にて解きほぐされて、その目的を果たすべく

限りなき、人知の遠く及ばぬ深淵の奥に潜みし響きをもって

静かに待っている。やがて、その時が訪れるのを・・・・。

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= やあ、ティム久しぶり、元気そうだな = ああ、いつかのおじさん?ああ僕は元気だよ。今、クリスマスにサンタさんからもらったラジコンの車で遊んでるの 。 = ああ、よく見えてるよ、黄色で横に赤いラインが入ってるね。= かっこいいでしょう?とっても気に入ってるんだ。 = おじさんのこと、誰かに話したかい? = うん、ママや隣のジュリーや幼稚園の先生に話してもみんな信じてくれないんだ 。= それはしかたがないよティム、おじさんの声はティムにしか聞こえないんだから = おじさん、一体どこから話しかけているの?
= 遠い遠いところからさ。 = じゃあ、パパが行っちゃった天国、そこから見える?もし見えるなら、僕と同じようにパパに呼びかけてよ。僕が会いたがってるって。= ああ、今度、パパを見かけたら、そういっとくね。= うん、かっこいいラジコンのことも忘れずに言っておいてね = ああ、必ず伝えるよ 、じゃあ、また声を掛けるよ。バイバイ、ティム元気で!=バイバイ・・・。=


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あまりに研究に没頭するあまり、彼は廃人寸前まで追い込まれていた。ある高名な学者の家に生まれ、両親のすぐれた頭脳の遺伝子を受け継ぎ、順調なる学者、研究者としての、そして社会的経済的家族的にも恵まれた人生を歩みつつあった彼が、ある日突然、それらすべてを投げ出して狂ったように、一つの問題に憑りつかれ、あらゆる世間や愛する家族との接触を絶ち見知らぬ住居の奥深くの部屋に閉じこもり、ただひたすら紙と鉛筆でもう何十年もの長きに渡って、常人には理解不可能と思われるな複雑極まる難解な計算に取り組む日々を、送っていた。青白くやせ細った身体の髪と髭は伸び放題で、部屋は暗くカビの匂いに満ちて、床には踏み処も無いほど書き捨てられた紙の山があちこちに散乱している。そんなある日のこと、無音と無言が支配するその部屋に、唯一響いていた永遠に続くかのよう思われた鉛筆のさらさらという音がふと止むと、彼の左手の指から落ちた鉛筆が、カラカラ・・・と床を転がり、椅子からゆっくりと絶ちあがった彼は、身体全体を小刻みに震わせながら辺りを見回し、埃が十重二十重(とえはたえ)に積もった古い固定電話の受話器を震える方手で取り、これも震える指である番号をまわして相手が出たらしく、口を開いて何事かを言おうとしたが、もう何十年も人と話さなかったせいで、思うように舌が回らず話すことが出来ない。そして、無言電話に腹を立てた相手が切ろうとした瞬間に声が漏れた。「ウ、ウオルター・・・。私だ・・・私だ、ウオルター・・・ああ。遂に、遂になしとげたよ。今、たった今成し遂げ・・・ああ、あああ・・・・。」そう言って彼は、そのまま床に崩れ落ち、間もなく息を引き取った。



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= ドウダ・カレラ ・ハ ・ ドノクライ ・マデ・ キズキ・ハジメテ・イル?= マダ・ジブンタチ・ノ・ウチュウ

・ノ・コウゾウ・ヲ・シリハジメタバカリ・デス 。シカシ・オモッタ・ヨリモ・ハヤイ・ペース・デ・チシキ・ヲ・

カクダイ・サセツツ・アリマス。スデニ・ダークエネルギーノ・ソンザイ・ヲ・ツカミマシタ。= ワレワレ・ガ

・オクッテイル・シンゴウ・ト・ソノ・サヨウ・ニ・ツイテ・ハ?= イマノトコロ・マッタク・キズイテハ・イナイヨウ

・デス。カレラ・ガ・ディーエヌエー・ト・ヨブ・エンキプログラム・ノ・ニジュウラセン・ノ・コウゾウ・ト・ソノ・

ハツゲンサヨウ・ニ・ツイテ・ハ・カイドク・シタヨウデス・ガ、ソレ・イガイ・ノ・モノ・ハ・カレラ・ノ・メ・ニハ・

ミエナイ・タメ・カ・ハンブッシツ・ヤ・ソノ・サヨウヲ・リカイスル・ニハ・イタッテイマセン。= カレラ・ノ・ナカ

・デ、ワレワレ・ト・コンタクト・ヲ・トルニ・タリル・モノ・ハ・マダ・アラワレナイノカ?= カコ・ノ・ヨウナ・ゲンシテ

キナ・ホウホウ・ニ・ヨル・コンタクト・ナラ・カノウデス・ガ、アリノママノ・ワレワレ・ヲ・リカイデキルモノハ・マダ

・ヒトリモ・ミツカッテ・ハ・オリマセン。= ゴクロウダッタ、サラニ・カンシ・ヲ・ツヅケテ・クレ。ソレカラ、ショウキョ

・ノ・シンゴウヲ・オクルトキ・ハ・カナラズ・ソノ・リユウ・ヲ・ホウコク・ノ・ウエ・キョカ・ヲ・トッテカラ・ニ・シテクレ。

= ワカリマシタ。=


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マウナケアの山頂は、今夜も満天の星の輝きの中にあった。「ねえ、先生はインフレーション理論から導かれるという、我々の宇宙以外にも無数の宇宙が存在し、そこには我々全く違った物理法則に基ずく世界が存在するという予測をどう思われますか?」若い学生の質問にサーベイ教授はコンピューター画面から眼をそらし、老眼鏡を外して磨きながら答えた。「君も、この天文台に来てから、毎夜この無限とも思える広大な宇宙を眺めながら感じていると思うが、我々の知りうる事はほんの限られたものでしかない。一つの謎を解き明かせば更なる謎に包まれていることが明らかとなり、人間の知的欲求がなくならない限り、未知なるものも永遠にあり続けるだろう。」そう言って、老天文学者は再びモニター画面に眼を戻した。学生は定期観測のデーターをインプットしながら、ふと思った。ー 我々以外にも無数の宇宙があるとしたら、我々とは全く違った知的生命が、自分たちの存在する宇宙を知り尽くし、未知のエネルギーや通信方法を使って、他の宇宙の観測を行ってるのかもしれないな。ひょっとしたら、彼らのモニターに僕の姿が映っているかも、そしたらこう言おうかな、『ハイ、どこかな宇宙で僕の姿を観ているきみ。僕の名前はジム・アダムス現在21歳で天文学を専攻している学生で、独身。君がもし可愛い女の子なら何らかの方法で連絡してね。』なんてね。


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メアリーは、祝杯の日々を逃れ、首都から遠く離れた大草原の丘、その周りだけ木々に囲まれた別荘で、真夜中テラスに出て満天の星空に眼をやり、天空を分かつ銀河の流れを見つめながら、今までの人生を振り返っていた。今まさに今日、ついに自分が目指していた地位と名誉を手に入れはしたが、満足感と同時に、この胸をよぎる虚しさは一体どうしたことだろう。周りには、誰一人として本当に自分を理解してくれるひとは居ないのではないか。家族さえもこの地位を得る過程で、自分の元を離れていったのである。口に含むグラスの酒の味は、いつもにも増して苦く感じられた。他の女に走った夫に未練は感じないが、子供を持てなかった寂しさは、周りの冷たい夜風よりも身に沁みて感じられた。日々の政争に明け暮れているうち、いつのまにかメアリーは孫が出来ていても不思議ではない六〇を越えてしまっていた。 天空の遥か彼方の星の一つが ゆっくりと流れた。 ー「メアリイ、ほら!今またお星さまが右から左へと線を描いて消えていった
でしょう?あれは流れ星っていうのよ。今度流れたら、ママと一緒に願い事をしましょうね。あなたはどんな願い事をする?」ー このテラスで、あの星空を眺めながらママが言ったっけ・・・あの時まだ幼かった私は何と答えたんだろう?どうしても思い出せないのよママ、きっとあの時の純粋な心を何処かに置き忘れて来たせいかしら。あなたがまだ生きていてくれたらそっと私を抱きしめて額にキスをしてくれて、それはね、メアリーこうなのよって、あの頃のように教えてくれるのに・・・。眼がしらをそっと拭って眺めている空の一角にある一つの星が動いた。それは横に流れずに次第にこちらに近づいてくる。この辺りには空港は存在せずヘリを呼んだ覚えもない。その
光はさらに大きくなり、やがてオレンジ、赤、縁の色に別れなおもこちらに近づいてくる。メアリーは恐怖に似た戦慄を覚え、グラスを足元に落としたことにも気づかないで椅子から立ち上がり、その光景に見入った。やがてその光が音もなく移動する黒い三角形の飛行物体の底部についているライトであることが分かった。自分の体を始め、周りのすべての空間がブーンという振動するような感覚に覆われるのを感じながら、なおも近づくそれを、メアリーは呆然と眺めていた。

「選挙戦による疲労の蓄積による単なる妄想でしょう。身体のあらゆる部分を精密にスキャンし、調べてみましたが、仰るような痕跡、注入物は一切見つかりませんでした。」「そう・・・ご苦労様。ありがとう。」そう言ってメアリーは、MRIの台から身を起こして呟いた。メアリーはその後も、様々な分野の専門家を呼んで意見を聞き、精神分析医のカウンセリングも受けたが、彼らは、口々に「別に以上はありません。」「単なる妄想でしょう。」「そんなことは現実にはあり得ない。」「そのような経験は、ある精神状態において起こりうる夢の一つの形にすぎません。」などと答えるばかりであった。しかし、メアリーには夢、妄想と片付けるにはあまりに現実過ぎた経験であった。 そして、その経験が単なる妄想と片付けるには納得できないもう一つの理由があった。あの夜以来、五感が研ぎ澄まされ、特に第六感と呼ばれる特別な感覚が鋭く、というよりは他の五感と同じくらいに確かなものになってきたのを感じるからであった。つまり近い未来に起こりうることを、ほぼ正確に把握できる気がしてきたからである。例えば、最近、某国の宗教指導者の死を情報機関の報告よりも 3日も前に予知できていたことは周囲の補佐官たちを驚かせた。そればかりではない。主だった世界各国の首脳の考えや行動が手に取るように分かり始めたのである。まるで、チェスのチャンピオンが初心者を相手にゲームを開始した時のように・・・。


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 「おい兵頭、お前さっきから何をわけのわからねえこと言ってるんだあ?」「あっ、組合長!実は私にもよく分からないんですが、今この井上にも言ってるんですが、なんだか今日は朝から妙に胸騒ぎがするんですよ。」「胸騒ぎ?こんな海の穏やかないい日和に、漁にも出ねえで何が胸騒ぎだ。確かに鯖はゴマサバが増えて本鯖が取れなくて油代にもならねえのは分かるが、サンマはそこそこ取れてる。網元の俺にしてみればこの時期の稼ぎは大事なんだ。猫の手も借りてえ時に休まれちゃあ困るんだよ。ましてお前はこの浜じゃあ働き者で通っている、そのお前が一体どうしたっていうんだ。気でも違ったのか!?まだ呆けるとしでもねえだろが。しっかりしろい!」 漁業組合の事務所に響き渡るドスの効いた声に、他の漁師や仲買人たちが何事かとより集まって来た。その連中の顔を見まわしながら、この四十過ぎのメガネを掛けた髭ズラの男は真面目な思い詰めた顔で、話し始めた。「みんな、よく聞いてくれ!俺もあんたらと同じくこの港に生まれ、親爺の後を継いで5歳の時から船に乗り、漁師になってから、もう40年、毎日毎日海が荒れねえ限り、働いて来た。まだ、体は元気だし頭も呆けちゃあいない。その俺の言うことを、まともに聞かねえというならそれはあんたがたの自由だ。ただこれからいう俺の話を聞けば、誰だってじっとしちゃあいられねえことがわかって
もらえると思う。その話って言うのは・・・。」  

「おい、サブやん。さっきの兵頭の話しどう思う?」「どう思うって、唯の夢の話だろう?あいつ最近息子の譲太が受験に落っこちてやけっぱちになって暴れたり、女房が乳がんの手術したりで、精神的にまいってるんじゃないかそれで、あんな夢をみたんだよ。」「だけどよ、三日三晩も同じ夢で目が覚めたっていうし、ほら昔から虫の知らせっていうか、正夢って言うのもあるじゃあないか。」「じゃあなにか、お前は兵頭の言う通りに、この町の住人全員を裏山の高台に避難させようっていうのか?今はサンマ漁の最盛期だ、一日だって休むには惜しいのに、仕事をほったらかして、気が違ったかもしれねえ男の言うことを聞いて、他の船団が根こそぎサンマを取っていくのを黙って指をくわえて見ていろというのか、ああん? あんな戯言誰が信用するもんか、あいつはストレスが原因で頭がおかしくなっちまったのさ。さあ仕事だ網の補修を手伝ってくれ、今は猫の手を借りたいくらい忙しいんだ。下らねえ寝ぼけ話につきあってる暇はねえんだよ。」  

 「組合長、さっきの兵頭の話で、ちょっと気になることがあるんですが・・。」「なんだ、お前までがあいつの話を信じてるのか?」「いいえ、そういうわけじゃありませんが、ほら今から八十年ほど前の大地震で大津波がこの港に押し寄せてきたときの話を、子供の頃に死んだ祖母から聴いた事があったのですが、丁度沖合を通っていたタンカーが津波に押し流されて港の赤灯台にぶつかって油が流れ出し、それに火がついて入り江全体が火の海になって三日三晩の間燃え続けたらしいんです。」「ああ、そのことは俺も死んだ爺さんから聴いたことがあるよ。それがどうかしたのかい?」「実はあの時も、この港に赴任していた神坂と言う診療所の医者の娘が、津波を予見していたのか町の人々に、津波がやって来るから裏山に逃げろと、気が触れたように大声で町中を駆け回ったと祖母が言っていました。」「それは初耳だな。」「その娘はひとり子だったため、婿養子をもらって家を継ぎました。その娘の名は冴子、その孫が兵頭繁太郎、そう、先ほど大津波が押し寄せる夢を見た、あの兵頭なんです。」「なんだって!?」
「町長、あんたこの街の皆を危険から救うという義務と責任があるだろう?頼むからたった一日だけ町の人々全員を神社の裏山に集めてくれよ。あんたが呼びかければきっと皆が言うことをきくよ!」「だから、さっきから言ってるように、何の根拠もないそんな夢を理由に、人が納得して動くわけないでしょう!?もうお帰り下さい。それよりも一度心のカウンセリングをお受けになったら、あなたはすごく疲労がたまっているのですよ。とても疲れたお顔をなすってる。」
 「あなた、もうお休みになったら・・。ここ4,5日の間ほとんど眠ってらっしゃらないんじゃあ、体に毒ですよ。」「幸恵お前も俺の頭がおかしくなったと思ってるのか。」「いいえ、その夢の話を別にすればいつものあなたと変わりはしない、ただあなたが心配なのよ。それで思ったんだけど、津波が来た時の為に避難訓練をするってのはどうかしら。それなら皆も納得して、全員は無理としても何人か参加してくれるんじゃあないかしら。ビラを配ったり、町内放で呼びかけたりして。それでもし、あなたの夢が何かの知らせだとして、その地震と津波は何時やってくるのよ。」「分からない、分からないんだよ・・・。」そう言って兵頭は頭を抱えて首を左右に振った。「じゃあ貴方が見るという夢を詳しく思い出してみて、二人で考えて見ましょう。私の両親とも大学の教師をしていたから、私もにわかには貴方の言うこと信じがたいんだけど、世の中には科学だけでは説明がつかないこともあると思うのよ。」翌日、幸恵は組合長の自宅を訪れ、同級生の彼の妻にも同席してもらって、こう懇願した。「夫の兵頭は生まれてから今日まで皆さんとともに、漁一筋に生きてきました。その夫がここ一週間ほどに渡って何かにとりつかれたように悩み苦しんでいます。どうか彼を哀れと思うなら、彼の訴えを皆さんに聞いてもらえる機会をたった一度で結構ですから、与えてくだされば彼の気が少しでも治まり、もとの夫に戻れるかもしれません。どうか、組合長の呼びかけで住民の皆様を集めていただけないでしょうか。このとおりお願いします、どうか後生ですから・・。」そういって涙を流し、何度も頭を下げる幸恵を見て妻が囁いた。「あんた、あたしからもお願い。幸恵がこんなに思いつめてるの、ほっとけないわ。ね・・。」  
                    (つづく)


 
* この物語は完全なるフィクションであり、登場する人名地名その他の一切の事物は、実際に存在するものとは、全く関係がありません。
(筆者敬白 )

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  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-12-20

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