アイドルと不登校生

初めての投稿です!!

 春一番―――

 今年では俺は16歳。そして高校一年生である。三学期の始まりでもあるな

 高校とはいいものだ。人生での分かれ道が、無限に広がって見えるから。高校一年でもわかる

 手に持っている飲み物を、勢いよく口に含む。あぁ、さっきから唾液が溜まっていたから微妙だな


「はぁ~。わかってるんだよ、いやわかりきってんだよ。なのに……あぁ、なさけねぇわ」

 
 そう、今は平日でもう授業の時間。俺は公園のベンチにもたれかかって、落ち込んでいる

 お気づきだと思うが、一応言っておく。俺は……不登校生だ。引きこもりではない。決してだ!


「たく……! 中学校の時は、毎日バカ騒ぎだったのが今じゃなんだ? こんなんになるとはなぁ~」

 
 顔はすでにダメだとなり、落ち込むように顔を下に向ける。そう、自分でもこうなるとは思わなかったのだ

 一年生でリタイヤとか、俺高校生失格じゃん


「糞ぉ~!! 考えている暇あるなら、実行しろよ!! 俺のバカバカバカぁぁぁ!!!」


  弱く自分の頭を叩き続ける。恥ずかしいぃ~!! 周りから見られるわ、自分自身も


「あ、あの~……」


「そうだよ、どうせ俺は駄目駄目な男なんだ。めんどくせぇ、めんどくせぇ……」


「すみませ~~ん?」


「んもう、やる気でね……。はぁ~」

 
 お先が真っ暗に見える。視界はだんだんと暗くなり、今でも目がつぶりそうだった

 頭がパンク寸前だよ……。休もう


「すみませーーーん!!!!」


「おわっ!? な、なんなんスか!? 大声で叫ぶなんて、何処のワンパクっ子!?」


「あっ、えと……。すみません、何回も声を掛けたんですけど」


 顔をあがれば、それはまたビックリ仰天。まるでアニメにでそうなキャラクターみたいだった


「と、隣いいですか?」


「え!? い、いいですけど……」

 
 声も咬みそうで、俺は緊張している。女の子は横に座って、髪をかきあげだす

 可愛い顔立ち。真っ黒みたいな髪色だけど、綺麗だな……

 俺は現代の大和撫子というのを、見てしまった。早く自慢したい……けど

 俺、今学校に居ないし……。学校行けない


「? 大丈夫ですか?」


「!? え、えぇ。えと……。ん? あれ、何処かでお会いしませんでしたっけ?」

 
 コッチに顔を向けてもらって、お互い見合った。すぐにでも、真っ赤なリンゴになりそうだったが

 何処かで見たことある顔立ちと思い、ふと尋ねてみた


「あぁ。たぶん……」


「サーヤちゃ~~~ん!!! そろそろ出番わよ~~!!」


 何処からか、野太い声が聞こえだす。すると、女の子は立ち上がった

 あだ名がサーヤって……。あれ? そういえば、ウチの姉貴も何かこういう名前を言ったような……?

 たしか


「出番だ! すみません、それでは!」


「えっ!? ちょっと!!??」

 
 あたふたと慌てて、女の子は遠くに行ってしまった

 サーヤか……。まぁ、俺には関係無いか。缶を握り潰し、自動販売機の隣にあるゴミ箱に入れた

 

 ・

 ・

 ・

 ・



























「あれ? あの人……、何処に行ったんだろう?」

 
 さっきまで座っていた、制服の上にパーカーを着ている人はもう居なかった

 う~ん。同い年だったから、お話したかったのに


「サーヤちゃん? そろそろ次の現場に行くわよ~?」


「あ、はいマネージャー!」

 
 ロケバスに乗り込み、窓に映る公園を目に映す。そして、あの人を思い出す

 変わった人だったな~


 

アイドルと不登校生

次回、二人の出会いが始まります!!

ぜひ、感想やご意見などを

アイドルと不登校生

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted