へくち、

2014/12/12

2014/12/12

朝起きたとき、今日の予定は決まっていた。

操り糸のあるように、私はそれに沿っていく。


義務のような、
そこまで重くないような。

タイムリミットがあるけれど、
まだまだ余裕はあるような。



白い小さな錠剤を口にした。

愛おしさがこみあげる、大事な、金と引換えたもの。

希望はなかったのだ、
同時に、
絶望もなかったのだ、

ここに、何もなかったのだ。

私は何を殺すのか。

どくどく、

脈打つ。


どくどく、

全身に回る。


毒毒、


良薬口に苦し

2015/3/10

沢山の女の子に恋をしてきた。
そのたびに溢れだした衝動は股間を肥大させる。
自分は処理に追われる右手であった。

悪夢という以外に何があるのだろう。
前世の記憶というならせめて、一個体でありたい。
これが夢というならせめて、願望とは程遠いところにいたい。
しかし、まぎれもなく前世であり、現世であり、そして願望である。

「女の子は最終的に、自分が一番かわいいんだよ。次に子供、子孫を残そうとする。ゆえに男との関係を第一とし、女友達という薄っぺらい関係はもっとも儚い。」

友人は偉そうにそういった。
何を知っているのだろう。


彼の腕で眠る。


ふと目を覚ました。
目の前にはすやすやと眠る‘愛しい’男がいる。
顔にかかった髪の毛を手で払う。
起こさないように頬を撫でる。

左手。

彼はほかの女とも眠る。
知っている。

彼はほかの女にも求める。
知っている。

彼を手に入れたい自分がいる。
知っている。

「無理だ」と諦めている自分がいる。
知っている。


まどろみの悪夢。
‘愛しい’男の面倒を見る。
夢か前世か。何度も経験したこと。
夢か前世か。何度も体験したこと。
夢か前世か。何度も、何度も、何度もー・・・。



「かわいい」

友人は私の頬を撫でながら言った。

右手。

「そんなことない」

振り払った、左手。

へくち、

へくち、

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-12-13

Copyrighted
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  1. 2014/12/12
  2. 2015/3/10