赤い狐と緑の狸
あの日、僕は決めたんだ。
ーだから、君を守るって!!!
昔、むかし
あるところに雌狐がおりました。
その狐はやや体が小ぶりで、尾が大きく二股に割かれていました。
狐は、
林の中を目に見えぬ早さで駆け巡り、風を起こすのが大好きであったそうだ。
里に降りてきては人間達から、芋や魚、米を貰っていた。
里の子供が林で迷えば、一番に見つけるのはこの狐だったとか。
里の人たちとつかず離れずで暮らしていた狐は
ある日、林で一人の男に出逢う。
(こなとこに。人だ。迷子かな。)
男は不審であった。
薬の香りがするが、薬屋がもつ薬箱がなく。
身なりもあちこちら土や枝が付いていて汚かった。
年に一度ものを燃やすために掘られた穴。
大熊達だってまだ冬眠には早い。
そういえばあっちには蜂の巣があったや。
赤い狐と緑の狸