今日の戯言

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26年12月6日の日記 ~かわいそうな私~

少し大人な上司に、ぜんぜん仕事でかかわりがないのに人づてにのみに誘われたのだ。金曜日だったけど、特にこれといった用事もなかったから、なんか言いたいことでもあんのかなっていう軽いノリでご飯をごちそうされにいく。

3人でご飯をたべたから、でも先輩は一人仕事がなかなか終わらなくて、先に面識のない二人で飲みに行く。初めての歩き方、初めての話。おとなの男のひとは、ラク、お店について、さらりとコートをかけてくださってそう思った。

お酒はあまり強いほうではないみたいで、最初にビールをのんではいなかった。わたしはというと、ビールを最初に飲みたいって思ったから、しかも黒ビールがあったから、それを注文した。

大人はビール、そんなことはないのだものね。一方私が大人だからビールを飲んでいるわけでもないんだものね。ビール、ビール、夏場はあれほど飲みたかったのに、今は日本酒が気になると言ったら馬鹿だと人はいうのでしょうか。

淡々と上司さんは私のことを質問していく。私はあまり人に気を使わないほうではないと思ってなかったのに、つまりずっと人に気を遣うタイプだと思ってたのに、全然話題を探したり、質問したりもしなかった。なんか、自分は自分なんだみたいな感覚が宿ってきたのかもしれない。

でもそれは幻想だった。

ずっと会社で評価されないことなんか十分わかってたのに、どうして仕事に似つかわしくない評価なのかということをずっと聞かれて、疲れてしまった。会社の評価の話を賞味、ずっと、だから、4時間くらいしたのだろうか。みんな、会社で生きる人間は評価のことがとても気になるのだろうか。そうなんだろう。

結局わたしという人間は今の会社で、今の仕事で、全然評価されていなくて、会社にいておいしい思いっていうものを感じたことがない。それを、かわいそう、と言われた。私はかわいそうな人間と位置付けられた。

心のなかで、もうこの話題はいいやと思っても、ずっと続いて、いく。果てのみえない一本道みたいに、続いていく。焼き鳥屋さんでは、おいしい銀杏があるのに、ずっと先の先までその話は続いていく。

かわいそうな私はかわいそうでない先輩たちに、かわいそうといわれた。

でも、私には雨が降ったら今日は雨の匂いがしているなぁとか、
天気がいい日には気分が明るくなったり、
新しい好みの小説や作品をわくわくしながら読めるという感覚があって、
そういう実際的な触診感は、会社の仕事とは別で楽しむことができる。
もちろん、黄色いビールをグイっとのんで、「ぷはー」っていうことも出来る。

それでも、会社で評価されないからかわいそうなのかもしれない。
そんなことを考えてしまうなんて、ひねくれているからもっとかわいそうなのかもしれない。

とても疲れた。
そして、会社を辞めたくなった。

だから、どこか心の中で、私の居場所を会社の中で探しているのだろうよ。
それがいちばん、かわいそう。

今日の戯言

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-12-06

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