君の記憶(カケラ)
記憶をなくした彼
「先生!
桐屋 和人さんの意識が戻りました!」
看護師さんがそう叫び、先生が走って
病室に入ってきた
私と和人の両親と目を合わせて
喜んだ
「和人!」
嬉しくて涙が出た
もう二度と目が覚めないと思ってたから
和人の手を握った
だけど、和人は目を開けたのは
一瞬でまた目を閉じてしまった
不安になり、先生の顔を見ると
「大丈夫ですよ
眠りについただけです
もう、安心してください」
私は胸を撫で下ろした
「先生、ありがとうございます!」
和人の両親は、先生に深々とお礼をしていた
その数時間後、先生の言ったとおり和人は目を覚ました
和人の両親は和人を胸いっぱいに抱き締めて泣いていた
私も後ろから病室に入って和人と目があった
やばい、すごく嬉しい
和人が目を覚ましてる
だけど、私を絶望にさせるのは
このあとの彼の一言だった
「・・・君、・・・だれ・・・?」
君の記憶(カケラ)