お人形
いつでも一緒に
小さい幼い女の子は、可愛らしいお人形を欲しがるだろう。
その可愛い、儚げなお人形を抱いて、喜ぶ。
でもいつからか、そんなお人形に可愛いお洋服を着せるのではなく、自分にお洋服を着せる。
着飾って、綺麗になる、華奢な人になりたいから。
もう、お人形は使わなくなってしまうのだ。
自分自身をお人形みたいにして、鏡を覗き、満足げに出かける。
お人形の最期は、こんなもの。
でも、貴方の記憶の隅でいいから。
私を、忘れないでほしい。
お店の中で大泣きして、私が欲しいと駄々をこねたこと。
お母さんに怒られ、私と共に家を飛び出したこと。
何度も私は、貴方の温かい手の中で、貴方の温度を感じながら寝ていたことを。
貴方は、私の存在を忘れているかもしれない。
でも、私は。
汚らしいゴミ捨て場に置かれても、貴方を待ち続けます。
哀れなら哀れと嘲笑って頂戴。
馬鹿な薄汚れた人形は、
最期の最期まで、貴方の事を信じていたから
お人形
なんか、ゴミ捨て場に人形が捨てられてたから・・・。