お人形

いつでも一緒に

小さい幼い女の子は、可愛らしいお人形を欲しがるだろう。

その可愛い、儚げなお人形を抱いて、喜ぶ。

でもいつからか、そんなお人形に可愛いお洋服を着せるのではなく、自分にお洋服を着せる。

着飾って、綺麗になる、華奢な人になりたいから。

もう、お人形は使わなくなってしまうのだ。

自分自身をお人形みたいにして、鏡を覗き、満足げに出かける。

お人形の最期は、こんなもの。

でも、貴方の記憶の隅でいいから。

私を、忘れないでほしい。

お店の中で大泣きして、私が欲しいと駄々をこねたこと。

お母さんに怒られ、私と共に家を飛び出したこと。

何度も私は、貴方の温かい手の中で、貴方の温度を感じながら寝ていたことを。

貴方は、私の存在を忘れているかもしれない。

でも、私は。

汚らしいゴミ捨て場に置かれても、貴方を待ち続けます。

哀れなら哀れと嘲笑って頂戴。

馬鹿な薄汚れた人形は、

最期の最期まで、貴方の事を信じていたから

お人形

なんか、ゴミ捨て場に人形が捨てられてたから・・・。

お人形

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-28

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