優憂

 例えば、クッキーに水分を感じられないのにちゃんと液体は使われていてた。
 例えば誰のものでもないはずなのに誰かのものになっている。
 狡さを隠していて、導き出された返答には何も視えていない。
 水平線をなぞる指先の感覚を、忘れたり、落としたり。
 あらゆる存在の主張を手相に映し出す。

 弾け飛んだ抜け殻は、サイダーには溶けない。

 例えば、先生、わかりません。
 例えば、あなたの思考の片隅に、置き去りにされた廃墟。

 こんにちは。さようなら。

 血液は死ぬまで踊ることを止めず、
 今もこうして誰かにレクイエムを届けている。

 シナリオはいつも最終回で勝手に足踏みを止める。
 崖から飛び降りた瞬間に、幾度目かの憂鬱。
 引き戻された現実世界にさようなら
 を、していたのに。

 例えば、5歳の女の子はお花屋さんになりたくて
 例えば、8歳の男の子は運動が得意
 あながち間違いではないように、背中を向け合い、互いを翼にしようと
 その羽根はもうあなたには見えない。

 間もなく地球とお別れをして
 間もなくあなたは滅びるでしょう

 最近になってわかったことは、
 過去にもわかっていることなので
 橘の花は素知らぬ顔で艶やかに交わす

 花言葉を覚えて、石の意味を数えて、
 秘密のやり取りで朝まで遊ぼう。

優憂

優憂

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-28

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