信じてもいいですか?


最悪の出会い


今日もやっぱり寒い
春が待ち遠しい

もうちょっとでバレンタインかぁ...
一応友チョコだけでいいっかな
渡す人もいないし

バシッ
「春香!!おっはよー」
「いった!なんだ麗華かぁ驚かさないでよ」
「ごめんごめん、あれ?どうしちゃったのさぁそーんな曇った顔しちゃって」
「あ...ううんなんでもない、ちょっと考え事してた」
「もしかしてバレンタイン?」
うっ
なんでもお見通しなのか
「ナニナニ~否定しないの~?」
「そんなニヤニヤしないでよっ違うってば!」
「誰に渡すの?言ってごらんよ」
「違うってば!麗華は彼氏に渡すんでしょ?」
「そーなんだ!うちの旦那甘いもの大好きだからつくり応えがあるんだ」
「ナニ作るの??」
「ん~?まだ決まってないなぁ...」
「そーなんだ」
「でも、なんでも食べてくれるからなんでも作っちゃう!」
麗華は幸せそうだなぁ...
私にもこんな日がくるのかな...?
恋かぁ
「はぁ~...」
「ナニよため息なんて、春香らしくないねぇ」
「え、あ...うん」
「さては、恋のお悩みかなぁ」
「ちがうっつーの!!」
「あはははははは」
-キーンコーンカーンコーン-
「やっば予鈴鳴っちゃったよ!春香ダッシュ!!」
う...嘘でしょぉぉぉ
って、麗華もういないし!!
「足速いなぁもぅ!!おいてかないでよぉ」
恋なぁ
走ってる時はずっと恋についてずっと考えてた
自分が恋したら...
自分に彼氏ができたら...
どんな毎日を送ってんだろう
ふと気づいた時には学校が目の前だった
角をまがったらやっと学校だ

-ドン-

何かにぶつかった
私は急ぎのあまりに尻餅をついた
「いったぁ~...」
「おい」
ぶつかったのは多分同い年ぐらいの高校生だった
うちの制服の奴...??
見たこと無いな
「おい」
「え...」
「人にぶつかっといてあやまりもしないのか?」
なにコイツ?!
たしかにぶつかったのは私だけど
そんな態度なくない?!
「す...すいません...」
「...っチ」
かすかだったけど
たしかに舌打ちの音が聞こえた

-キーンコーンカーンコーン-

え?チャイム??
HR始まっちゃった?!
「ほんと、すいませんでした!」
私は早口で言って学校に急いだ
ていうか、まじナニ?!
態度悪すぎ!
しかも遅刻って
今日は運が悪すぎだよぉ

-ガラガラガラガラ-

「春香さん!遅いわよ、HR始まってるのよ?」
「す...すいません」
「次は気をつけてちょうだい」
「はい...」
麗華はこっちむいてピースしてる
ったく...
誰のせいで遅刻したと思ってんの
私は急いで席についた
「えーでは、今日からみんなに新しく友達ができます」
え、転校生?
こんな時期に珍しいな
「入ってきて、中村君」

-ガラガラガラガラガラ-

え...嘘でしょ...
さっきぶつかった態度の悪い奴じゃん!
「今日からみんなの友達になる中村聖君です仲良くしてね」
「中村聖です...よろしく...」
「じゃぁ中村君は春香さんの隣ね」
は?!隣にくんの?!

ガタ

いつの間にか隣に中村君が座っていた

「あ、あははは...偶然だね、よ、よろしく」
ぎこちない喋り方
「は?」
はい?
「誰も友達になるとはいってねーぞ」
なにそれ!!
やっぱ態度悪い!
早く席替えしたい!
もぅやだよぉ...


この最悪の出会いが
私たちの関係を変えるとは
考えもつかなかった

信じてもいいですか?

信じてもいいですか?

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-03

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