君と。

彼氏居ない暦15年 上原里奈。
たくさんの告白を断ってきた 野口海斗。
海斗が、ずっと隠していた好きな人がやっと分かる。

二人の運命は・・・?

あたし、上原里奈は
彼氏居ない暦15年。

野口海斗、4歳からの
幼馴染。



海斗は、好きな子が居るからとか
言って女子からの告白を毎回断っている。


好きな子って、誰だろう・・・。
聞いても教えてくれない。



ピコピコピコピコ.
   目覚まし時計が鳴った。


「あーっ!! うるさい、うるさいっ。 あ、起きなきゃ」


毎朝のこと。


あたしと海斗は家が隣。

親の言いつけで毎日一緒に学校へ行っている。



「里奈ーーっ! 朝ご飯よー」

お母さんがエプロンを着けながら

あたしの部屋へ走ってきた。

「はいはい。今行くからっ」

髪を整えながら、言った。


「海斗くんが待ってるわよ」


え?


「エーーーーーっっ!早くない!?」

あわてて、リビングへ行くと

海斗は、お父さんとテレビを見ていた。


「海斗っっ!! どうしていつもより早いのよ!」

パンを咥えながら、怒鳴った。

「ごめんごめんっ笑 早起きして暇だったから」


    「行ってきまーす」

「行ってらっしゃい」

お母さんは、手を振ってドアを閉めた。


「海斗、しつこいカモだけど好きな子って誰なの?」

どうしても、気になる。 

「気になる?」

海斗は、こうやってあたしを追い詰める。

「お、幼馴染だしっ。 知っておきたいっていうか・・・!」

なんでだろう。 ものすごく気になる。

「教えないっ。 もうちょっとしたら教えるよ。」

ニッコリ笑って、言ってきた。

「マジっ!? やったーーっ ありがとう」



キーンコーンカーンコーン     .  


「じゃあ、帰りにね」

「おう。了解」


3年A組 教室。

「里奈ーっ! 今日も海斗くんと朝来たの!?」
親友、真紀があたしの机に駆けつけてきた。

「いつものことだよ。 まだ、海斗のこと好きなの?」
真紀は、中2のころ 海斗に告白した。
断られたそうだけど。

「好きだよ! あたし、一途だもん! てか里奈ずるいー!」
真紀はあたしの制服をグイグイ引っ張る。

「なんで?笑」
あたしは、笑いが堪えれなくて笑ってしまった。

「幼馴染なんてずるいよ! しかも、家も隣で いっつも一緒で!」
あれ? 真紀本気で怒ってるっぽい。

「しょうがないよ。 親同士が仲良くなっちゃったからっ」
ちょっとした言い訳をした。

「うーん・・・。 里奈、海斗くんと何もないんだよね!?」
真紀、ロボットみたいに切り替えが早い。

「ないよっ。 安心して笑  好きじゃないから あたし」
ただの幼馴染。

「あぁ~~。その言葉聞いて安心したー笑」
真紀は、その場でピョンピョン跳ねている。

「分かった、分かった。笑」



キーンコーンカーンコーン―-――――

海斗のクラスは、あたしのクラスよりHRが短い。
待たせてる と思い あたしは急いでリュックに教科書などを入れ込む。

「よしっ、真紀ばいばいっ」
あたしは、真紀に手を振った。
「ばいばーーい」
バイバイを交わし、あたしは下駄箱へと急いだ。


「里奈、遅いーー」
海斗が手をブンブン振り回している。
「ごめんっごめんっ。 これでも急いだんだけどなっ」

あたしと海斗は、玄関から出て10分ぐらいして家の前についた。

「なあ、里奈。 公園でちょっと話そうぜ?」
海斗は、ネクタイを緩めながら言った。
「え? おーけーっ。」
あたしは、海斗の後ろにヒョロヒョロと着いていく。

あたしと海斗は、大きい山の前のベンチに座った。
「なあ、里奈」
小さく、海斗がつぶやいた。
「なぁに?」
「俺の好きな人聞きたがってたジャン?」
「うん! 教えてくれるの?」
「あぁ。いいよ。」
「きゃーーっ!! 誰?」
「・・・」
「・・・?」
「お前。」
「え?  ・・・・ヒャッ!」
海斗があたしの、手をつかみ優しく唇をつけた。

「俺の好きな人ってのは、里奈。 付き合おう」
海斗は足を組み、顔だけをこちらへ向けて言った。
「・・・あたしなんかで、いいの?」
「おう。 付き合うにあたってお願いがある。」
「なに?」
「俺以外の男と話すな。 お前は、意外に影ファンが多いから」
「え、まじ!?」
「おう。 だから、気軽に話してたらキスどころか、襲われるぞ」
「えっっ・・・! 分かった。約束する。」
「さんきゅ。 里奈を襲えるのは俺だけだから^^」
「はい・・・っ」

続く

君と。

君と。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-02

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