DREAM TRAP

逃げろ!はやく


そして俺はこっちの世界に戻ってきた。
「死んだ・・・うあああーーー」
俺の一番の親友だった竹中隆一(たけなかりゅういち)は、俺をかばって死んでしまった。


俺の名前は、中村新二(なかむらしんじ)。
私立高校に通う普通の高校生だった。
だが、2年前の雪降る夜にそれは起こった。俺は友達とカラオケでオールするために、いつものように親が眠ったのをみはからって家を出た。
「よう、新二。遅かったじゃねーか」
「わりーわりー、なかなか出れなくてさ」
「じゃあ、行くか」
こいつはクラスメイトの新村功治(しんむらこうじ)、見た目は悪いが根は良いやつだ。
「先に隆一待ってるぞ!」
俺たち三人は、いつも一緒にいる。中学からずっと同じクラスでもちろん高校も同じだ。
「隆一ー、新二来たぞー!」
「おせーよ、寒くて死にそうだったよ」
俺たちがいつも行くカラオケはそんなに大きくはなく、どちらかといえばボロイ・・・
だが、俺たちはここに行く。その理由はここのオーナーだ。
昔からの知り合いで、高校生でも時間制限などはなく、ドリンクもサービスしてくれる。いい親父だ。
「おおー、来たかおめーら」
「おっちゃん、朝までな」
「はいはい、ジュースは適当でいいな。一番奥の部屋使いな。」
「ありがと、おっちゃん。」
そして、午前2時過ぎ。
忘れられない、忘れてはいけない出来事が起こった。
「俺、ちょっとトイレ行ってくるわ」
そう言って立ち上がった隆一はトイレに向かった。
それから、数分経っただろうか。
「うわああー、た・・・たすけて」
突然の叫び声。
「おい、この声・・・」
「隆一・・・」
俺たち、2人は嫌な胸騒ぎがしつつ、隆一の声のする方に向かった。
「隆一!」
隆一はすでに気絶しており、その脇には人の形をしているが決して人ではないそれがいた。
「おい、どうした!」
遅れて到着した、おっちゃんが「おまえは・・・」と声にもならない声をだした気がした。
「おまえらは、そこで伸びてる隆一を連れて家に帰れ」
この時のおっちゃんには、誰も逆らえなかった。
「いいか、ここで見たものはすべて忘れろ!おまえたちは今日、ここには来なかった。いいな!」
俺たちは、言われるがまま隆一を連れて帰った。
そしてその夜おっちゃんは死んだ。
死因は、不明。
目立った外傷はなく眠ったように倒れていたと言う。
「俺のせいだ。俺がおっちゃんを・・・」
「違う、隆一。お前のせいじゃない。」
「だって・・・」
そう言いかけた隆一を功治は制した。
「やめろ隆一。あの日のことは忘れる約束だろ」
そう、おっちゃんとの最後の約束。
忘れなければならない。しかし、忘れてはいけない。
「そういえばさ、俺あの日から変な夢ばっかり見るんだよね。なんかさ、周りが砂漠でさ、見たこともない生き物ばっかでさ。夢って感じがしないんだけど、気がついたらベッドの上だし、夢なんだよね。」
「!!!」
「その夢、俺も見る。」
声が重なった。
「3人とも同じ夢・・・」
偶然にしては、似すぎているくらい同じ夢。
「え!じゃあ、あれも持ってる?」
「あれ?」
「あれってなんだよ!」
「手帳・・・、みたいなやつ。あの日帰ったらポケットの中に・・・」
そう言って、隆一はポケットから妙なマークの入った手帳を取り出した。
「俺は持ってないぞ。」
そう言った、功治に続いた。
「俺も。」
「中は見たのかよ?」
功治はそれに興味津々だ。
「見ないよ。だって、あの日に入ってたんだよ。1人で見るなんて怖いじゃん」
「だからお前はチキンなんだよ。かせ!」
そう言って、功治は強引にそれを取り上げ中を開く。
「なんだ、これ?」
中には見たこともない文字がぐちゃぐちゃに書きつづられていた。
「なんだろうね、これ・・・?」
「古代文字かな・・・」
高校生・・・いやおそらく社会人にも読み解けそうもない。
「とにかく、今日は帰ろう。少し疲れた。」
「そうだな、明日学校でな。」
俺たちの帰り道はみんなばらばらだ。
「じゃあなー。」
そう言って別れた。

その夜は、パソコンであの手帳について調べた。
そして、見つけてしまった。
あの手帳のことも、あの文字の秘密も。そして、DREAM TRAPのことも・・・

DREAM TRAP

初投稿の作品なので、語順もばらばらですいません。
まだまだ未熟者ですが、がんばりました。

DREAM TRAP

これは3人の少年と1人の少女の物語。 何も知らない高校生たち。 DREAM TRAPに隠された謎とは・・・

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-02-01

Copyrighted
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