Why do they fight?〜第2章、中編〜

『バイオロイド』を注文した矢先、エイリアンに基地が奇襲を受ける。
避難誘導の途中で息子とはぐれた母親を発見。
仕方なく、基地に戻り、子供を探す。

子供がエイリアンに襲われていると思って、屋上に突入したソーマ。
しかし、そこにいたのは第3大隊『トライアド』の新設部隊だった。
新設部隊長のラウルは、ソーマの話を聞いて捜索に協力すると言ってくれた。
こうして、ソーマは5名の捜索隊で子供を探すことになる。

(カヴァーしろ)
(了解)
軍用手話で援護の合図をしながら、廊下を進む。
敵がどこにいるかわからない状況で声を出すのは自殺行為だ。
時折、窓ガラスの割れる音や、怒声が聞こえる。
どうやら、外の味方は戦線を維持しているらしい。

俺達は窓から外の仲間を援護しつつ、1階の各部屋を確認していた。
ちなみに、ここの基地の1階は避難民用の居住区となっている。
1階の部屋をほとんど確認して、最後の部屋の前に来る。

(サイレント、ゴー)
(了解)

1番奥の最後の部屋に静かに忍び込み、装着した暗視ゴーグルであたりを見回す。

静かに侵入して正解だった。ファッキンエイリアンが5匹、窓から侵入して避難民が残した生活物資をあさってたのだ。
俺は、素早く全員に軍用手話で指示を出す。

(コンタクト、前方、敵、5、距離、右から、2、4、5、7、7、各員、1匹ずつ、静かに、1ショット、1キルで、始末しろ)
(ラウル、了解)(ラルフ、了解)(サミュエル、了解)(スロー、了解)

さぁ、始めようか…。
軍用手話で合図する。

(ジャッジメント…)

パスップシュプシュッパスッポシュッ…

サイレンサーを通した発砲音が5発。と、ほぼ同時に目の前の敵が地面にキスをする。

「てめぇらには地面でも、もったいねぇくらいだぜ…」

俺はそう呟いて、まわりを見渡すと…。
最悪なことに、血の付いた衣服があった。しかも、このサイズだと小児だ!

「おいおい、マジかよ…お約束すぎるぜ畜生…!」

サミュエルがそう言ってエイリアンの野郎を蹴った。
サミュエルやラルフの頭に最悪の状況が浮かびかけている…。若いから仕方ないか?
しかし、そんな状況にも関わらずラウルと俺は話し合っていた。

「おかしいな。衣服しかない…」

「あぁ、死体がないな…。コイツらが全部、喰っちまったとかは?」

「ありえない。奴らのアゴは人間の骨を噛み砕くことができん。とすると…」

「あぁ…そうだな。この服を着ていた子供は、別のところでくたばってるか、生きてるかの二択だ。」

「あぁ、そうなる…。もしかしたら、最悪の状況は免れるぞ。よし、お前ら、よく聞け」

そう言って、ラウルが部下の注意を引きつける。

「これより、部隊を二手に分割する。俺はソーマと反対側の階段から行くから、お前達はすぐそこの階段から行け。上階の廊下の中心で集合だ。」

「指揮は誰が?」

と、ラルフが聞く。

「指揮はサミュエルが執れ。ラルフ、スロー、カヴァーだ。」

『了解!』

彼らを見送った後、部隊長2人組は反対側の階段を目指してムーヴする。
見落としがないか再度確認して、階段の前にくる。

「ソーマ…。どうやら、1階の居住区にはいないみたいだな…。階段を昇ろう。」

「あぁ、そうみたいだな。上の一般市民立ち入り禁止区域を探そう。子供なら侵入しているかもしれない。」

俺はそう言って、階段を昇ろうとした。その時、

パリーンッ

ガラスの割れる音が至近距離で聞こえる!

しかし、その瞬間2人は伏せて、壁際に転がる!
目の前を見ると、エイリアンが1匹侵入したところだった。
エイリアンは、こちらを確認して突っ込んで来た!
奴の武器は、エネルギーをブレードにした斧みたいな物で、屋内用の接近武器だろう。

「くっそ…!」

俺はすぐに撃つが、この距離だとライフルは取り回しが悪い!

「ぐぅっ…!」

奴の武器が、俺の顔をかすめる!
そして2撃目を喰らいそうになった時、エイリアンの動きが止まった。

「エイリアンの接近戦はカスだな。相手が2人もいるのに1人にばっかりかまっていてどうする。」

ラウルがサバイバルナイフをエイリアンの背中から引き抜いて言った。
間一髪のところで、ラウルが仕留めてくれたのだ。

「サンキュー、ラウル!」

「目の前で、友人が死ぬと寝酒がマズくなるのでな」

いや、まだ未成年だろ?っと、ツッコミたかったが我慢する。

とりあえず、敵の増援はないみたいなのでさきを急ごう。
階段を駆け上がり、2階も確認していく。
廊下の中心でラルフ達がスタンバイしていた。

「隊長!先程、オーバーロードより伝令がありました!」

そう言って、サミュエルが俺にメモを渡す。

「ん、俺にか?」

一体、どのような伝令だろうと思い確認する。
そこには、こう記されていた。

『国連総本部より、α部隊が到着。αの隊長と合流して、行方不明者の捜索を続けろ。』

おぉ!α部隊が到着したか!

α部隊は、第3大隊『トライアド』の第1部隊だ。
40名弱からなる大規模作戦を展開、得意とする。α部隊長は、『トライアド』の総隊長でもあるのだ。

だけど、どこで合流すれば良いのだろう…。ん?伝令に続きがある。なになに?

『α部隊は、3階で待機中との連絡有り。』

ほう…3階か…。なら、すぐに行こう!

「よし、全員ムーヴだ」


こうして、俺達はα部隊に合流することとなったのだが…
この後、どうなる!?子供達は一体どこへ!?
次回
なんでこうなった?第2章完結!
お楽しみに!

Why do they fight?〜第2章、中編〜

ついにα部隊が登場です。
後編ではどのような結末になるのでしょう!?

作者はフラグを立てすぎて回収が間に合いませんw

Why do they fight?〜第2章、中編〜

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • アクション
  • SF
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-02-01

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