POP
「おやつおやつ~。どれがいい?」
「お前好きなの取れよ」
「じゃあこれ、ポップキャンディ」
「あっ、それ、俺狙ってたのに!」
「好きなの取れって言ったじゃないか!」
「言った……けど……うー、それ1個しかないじゃねぇか」
「違うキャンディならあるじゃないか」
「俺もそれがよかったんだよ! あ、じゃあ、2人で喰おうぜ。交互に舐めるとかさ」
「えー……2人で食べるのー……?」
「いいだろ、お前と俺なんだし」
「えー、でもー」
「なんでだよっ! いいじゃん」
「んー……やっぱ、やだ」
「あっ、こら、逃げんなよっ」
「わーっ! そんなこのキャンディにこだわらなくたっていいじゃないっ」
「なんかお前に取られたら余計にそれが欲しくなったんだよっ」
「わがままっ!!」
「待てよ、こらっ」
「いやーだよーっ!」
「やかましい!!!」
どたばた家の中を走り回ってたら、ブチ切れたハインリヒに一閃された。
綺麗に真っ二つにされたポップキャンディを2人でそれぞれ舐めながら、なんだか1つだったキャンディが2つになったのが少し残念な感じがしたような気がした。
でも多分それは気のせい。
「……美味しいね」
「ん。……そっちも、味見」
「味見って、同じだよ」
「じゃあこっち」
ちゅって音がするキスをされたと思ったら、べろんと唇を舐められた。
「――なにやって……!」
「やっぱそっちの方が美味い」
「……ばか」
甘い、僕たちのおやつの時間。
「ん? お前もこっちの味見する?」
「……する」
POP
勝手にワンドロ参加。
テーマは「POP」。