お風呂レーサー隼人
夜の峠には、Noisyなエンジン音が満ちていた…
「流石っす!!マジ流石っす!!」
「俺より速く走れる奴なんざ、チーターかリニアモーターカーしかいねえぜ!!」
「やべえ…大島さんマジすかそれ…」
「俺が嘘ついたことあるかぁ」
「パない。大島さんパない」
大柄なモヒカンの男、大島は、この峠のEmperor…
ひときわ仰々しいCustomizeを行った大型暗黒バイク『Achilles』に跨り、今日も手下どもと共に峠を我が物顔で走る…
「あの…その…どこなんですかここ…」
大島の大型暗黒バイクには、一人のガーリーなgirlが明らかに無理やりに乗せられていた…
彼女は道に迷っているところを、不幸なことに大島たちに見つかり、連れまわされてしまっているのだ…
このままでは間違いなく、彼らのアジトに付くやいなや、たらい回しFuckをされてしまうであろう…
彼女に救いはないのだろうか…こんな神の死んだ時代には…
「うへへへ、いい尻してるぜあの女」
「大島さんの後で、たっぷりかわいがってやるぜ」
「楽しみでゲス」
「ムラムラしてきた」
大島とその手下たちは、自分たちのGardenとも言える峠の坂を登っていく…
その途中のことだった…最後尾を走るアフロの男が…バイクのMirrorに映るものに気付いた…
「湯船じゃねえか」
「お前何言ってん湯船だマジだ」
大島たちのバイク集団に神速で迫る真白いObject…それは湯船とバイクを溶接合体したモンスターマシン…
「大島さん!湯船が走ってます!ヤバイ!」
「湯船が走る?何を言ってるお前ら」
滑らかなDriving…爆発的なSpeed…大島の手下たちは、走る湯船にいともたやすく追い抜かれ後ろへ消えていく…
「お前がEmperor…大島だな…」
大島は自分の目を疑った…すぐ横を湯船が走っていた…そして湯船の中の男はヘルメット以外全裸…
「ば、馬鹿な、湯船じゃねえか」
「走り屋のKAZAKAMIにもおけねえ…そんなKUZUがいると聞いた…それがお前だな…」
「言ってくれるじゃねえか!!Racing!!」
大島は大型暗黒バイクのアクセルをふかす…走り屋の喧嘩はいつだってSpeedだけなのさ…
「ここは俺の峠だ!ついてこれるわけがねえ!!」
「フ…意地の張り方までは、忘れちゃいないようだな大島…」
夜の峠に過激なRacingが始まる…
「あの、なんで湯船と」
「知らねえよ!!黙ってろ!!」
大島はバイク後ろに座るガーリーなGirlを疎ましく思った…
体重移動の邪魔になる…どこかで降ろしたい…しかし後ろからは湯船がぴったりと付いてくる…
自分からRacingを吹っ掛けた以上…「ちょっとタンマ後ろのこいつ降ろすわ」…そんなこと今更言いずらいぜ…
「どうせ湯船だ。どうあっても俺の方が速い」
急カーブが連続する…Speedを殺さないTechnicが必要だ…
大島はとても斜めになってカーブを曲がる…実際Emperorに相応しい威厳あるDriving…
「やったぜ!!完璧だ!!」
しかし、大島はミラーに映る湯船を見てGAKUZENとした…
「お、お湯がこぼれない…これだけの急カーブで…」
湯船のDriving…大島はすっかりビビっちまった…まるで遠心力に祝福されているかのようだったんだぜ…
「足りねえ…こんなカーブ生ぬるい…ZENZENポカポカしてこねえぜ…」
「すげえ走りしやがる!!湯船だか何だか知らんがやってやる!!こうなったら地獄まで走ってやるぜ!!」
大島はEmperorのprideを捨てた…湯船のすげえ走りを見て…ただ無心に走りを楽しんでいた昔を思い出しちまったんだ…
「大島…お前は…」
「もっとDONDON来やがれ!!湯船!!後ろのGirl!!お前は俺にしがみついてろ!!」
大型暗黒バイクと湯船が…危険なダンスを踊り出す…
一つのミスで…ガードレールをぶち破ってTANIZOKOまで真っ逆さま…ギリギリのRacing…
道路にはタイヤ痕が焼きつく…溢れだすのはアドレナリン…
Speedだけが…世界の感触だった…
「フ…お前も…いかれた野郎だったんだな…体の芯からポカポカしたぜ…」
ラストのストレート…
湯船に乗った男が…大島に話しかけ…信じられねえ爆発的な加速で大島を追いぬいていったんだ…
大島は満足していた…
最高のRacingの後に…少しだけ言葉をかわす…
それは走り屋のささやかな楽しみだったりするのさ…
大島と全裸の男は…向いあって握手した…
「俺はただ…一緒に走る仲間が欲しかっただけなのかもしれねえ…
それを簡単に手に入れようとして…女を餌にして手下をつくってたんだ…」
「大島…お前の走りが何より語ってたぜ…
つまらねえことは…もう捨てちまえ…
お前のハートが冷えちまう…」
大島は少しだけ涙ぐんじまった…
走り屋のRUISENは見かけよりも脆いものなのさ…
「負けたぜ…そしてありがとう。名前を聞かせてくれないか?」
「隼人…お風呂レーサー隼人だ…」
「なんで湯船なんだ?」
「風が俺をクールにしてくれる。そしてお湯が俺をやさしく温めてくれる。
温泉に入る時のようなクールとホットの心地よいダイナミズムが、ここにはあるんだ…」
「すまんそれはよくわかんねえ」
「気にしなくていい」
大島の大型暗黒バイクの後ろに乗っていたガーリーなGirlは…
走り屋二人の隙をみて全裸の男を携帯でpoliceに通報していたぜ…
お風呂レーサー隼人