旧套墨守

 旧套墨守の源は
 忘却 阿り(おもねり) 不勉強。

 長く続きしものならば
 革新、変革あるものを
 今より旧き(ふるき)ことなれば
 全て同じと思い込む。
 変革ありしも忘れ果て
 異端ありしも忘れ果て
 残りしものは全て、皆
 同じ衣(ころむ)と思い込む。
 かくて墨守の道とれば
 形残りて変革の
 機運は全て受け入れず。
 旧套、確かに残れども
 新たな道は開かれず
 自ら変わる術(すべ)も無し。

 権威すり寄り 己が(おのが)身の
 立身出世を願うれば
 過去の栄光全てよし。
 悪きことなど無かりしと
 わざと調べず阿諛追従。
 己が保身のためならば
 あゝ、目をつむり 耳塞ぎ(ふさぎ)
 知らぬが仏を決め込んで
 ただただ形を守りゆく。

     <了>

旧套墨守

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

旧套墨守

  • 自由詩
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-14

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