憂鬱な空

わたしの朝


わたしの朝は、ほかの人に比べてとても億劫なものだった。


朝遅く起きて急いでコンビニにかけ寄って、コーヒーだけを買って済ませるおじさんとか
朝はなんにも食べれないからって、何も口にせず家を出る女子高生とか
朝ごはんはしっかり食べて今日も元気いっぱいってやってる小学生とか


わたしには、ぜんぜん普通に思えなかった。
むしろ羨ましささえ感じるくらいだった。


わたしは、いつも早起きをして
コンビニにより、一日分のご飯を買って


母が食事を作るまでの空いた時間に
一日分のご飯を一食で済ませていた。


全て食べ終わる頃にようやく母が作った朝ごはんの時間。

それを、家を出る時間を気にしながら飲み込むように食して
少し悲しそうな母の顔をめんどくさく感じながら
食べ物たちを食道へ押し込んでいく。


すべて食べ終えると、当たり前のようにトイレに向かい
当たり前のようにすべて吐く。

この時の光景がいちばん辛く重苦しいものだったけど

最近はなんとも思わない。


あー、これ朝いちばんに食べたもの出てきたから
そろそろ胃も空っぽになってきたころかなぁ

なんて余裕さえある。


こんな景色を見る時間は
みんなの何倍なんだろう。


空を見上げて綺麗だなぁって友だちがいう。

わたしはそれを横で聴いて


そんな風に思ってたころもあったっけって
懐かしささえ覚えたりして。

わたしも、友だちに相槌して


綺麗だね。って返しては


どの口がいってんだろうって

ちょっと思ってしまう。

憂鬱な空

憂鬱な空

あたしにとっての毎日見上げる空は とっても憂鬱で醜かった。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-12

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. わたしの朝
  2. 2