『 呪いと好み 』

「こっちだ」

「こっちにおいで」

赤い鬼は恐ろしい顔。
青い鬼は優しい顔。

「……」

私は迷わず赤い手を掴んだ。
途端に豹変する青い鬼の表情。
ゆっくり王子様に変わっていく赤い鬼。

「呪いなんて」

違う。

「僕らの愛の前では」

違う、違う。
単純に私は、あの強面な顔が。
……違うのに。

『 呪いと好み 』

『 呪いと好み 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-12

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