僕の友達は・・・

初の小説です。読んでみてください。

 放課後。僕は友達とふたりで下校していた。
 「弥生ちゃん、弥生ちゃん」
 僕の友達、和香子ちゃんが話しかけた。
 「なに?はじめに言うけど歴史は100点だったよ」
 「すごーい!やっぱり、弥生ちゃんって天才だねー」
 「和香子ちゃんが教えてくれたからだって」
 「えー、ほんとー?」
 和香子ちゃんが笑った。その笑顔は太陽みたいにまぶしい。僕もつられて笑った。
 霧倉和香子。僕の親友である。頭がよく、勘がよく、運もよくてとても優しい美少女だ。
僕が困った時はいつも助けてくれ、彼女が困った時はいつもサポートする。つらい時は相談して、うれしい時は喜び合う。そんな仲である。
 しかし、彼女には一つ残念なところがある。
 「・・・ねぇ、弥生ちゃん」
 「今度はなに?」
 「みんなが変な視線でこっちをみてるよ」
 周りを見渡してみた。和香子ちゃんの言うとおり、確かにみんなが変な視線をむけている。ブツブツ言う人もいれば、不思議そうに見る人もいる。クスクス笑う人もいれば、大笑いする人もいる。
 「なんでなの?」
 和香子ちゃんが頭に「?」を浮かべる。完全に忘れてしまったらしい。また、だ。これで何度目だろう。
 僕は、和香子ちゃんに1番肝心なことを告げた。
 「あのね、和香子ちゃん」
 「なあに?」
 「幽霊ってこと、忘れた?」
 あ、と和香子ちゃんが呟いた。自分が何者か思い出したみたいだ。
 そう。霧倉和香子は既に死んでいるのだった。

 自己紹介をしておこう。
 僕の名前は、沢原弥生。高校2年生だ。ついでに女である。
 僕は幼少の頃から霊感が強かった。今は区別できるが、昔は目の前にいる人が生きているのか、死んでいるのか判らない程であった。見分け方を知らない僕は、とりあえず生きていても死んでても話しかけていた。このようにしていると、どちらも仲良くできると思ったからだ。
その結果、生きている人は「たまに独り言を言う変な人」、死んでいる人からは「いろんな人と話せる人」と思われてしまったが。
 
 そんな、判断すらできないとき、彼女にあったのだ。
 それは、僕が中学校1年のときになる―――。 

  

 
                          

 



 

僕の友達は・・・

まだ続きます。

僕の友達は・・・

変わり者で霊感の強い少女と、かなり天然で能天気な幽霊のお話。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-01-29

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