敗戦

空の目玉がジリジリと
あの隙間から
私たちををみています

それに負けじと
私も隙間から目玉の光をみているのです



感じる熱さは貴方と私だけのもの

汗が流れ白いシャツが含んでいく様
後れ毛が絡まる木の実の釦


醜く妖しくドロドロに
溶け出した私たちを
目玉は執拗に追いかけてきているのです

「ウラヤマシイノデセウ」


目玉が山の彼方に身を隠すまで
私は全ての身をさらけ
サガを見せつけ睨むのです


サイレンが鳴る



焼け爛れた真っ赤な目玉は
時を刻むと狂ったように再来し

遂には
貴方の姿だけを
遠くに
遠くに
隠してしまいました

敗戦

敗戦

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 時代・歴史
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-11-06

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