吽
吊洋灯、カンテラと云うものは
私が手を掲げて揺すると
襖に映る私の影を
大きく小さくユラリユラリ
薄弱と虚栄を見透かしているようであります
影出でる私は物体であり
見透かされる揺らぎは
幾重にも折り重なる魂
見えざるもののみが私ではないのです
白熱灯は電傘に身を隠しているやも知れず
はたまた豪奢に着飾っているのやも知れませぬが
こちらの意は介さずに
私の全てを
露にしてしまうのです
嗚呼
今宵は貴方がやって来る
既に私は吊洋灯の下
吽
吊洋灯、カンテラと云うものは
私が手を掲げて揺すると
襖に映る私の影を
大きく小さくユラリユラリ
薄弱と虚栄を見透かしているようであります
影出でる私は物体であり
見透かされる揺らぎは
幾重にも折り重なる魂
見えざるもののみが私ではないのです
白熱灯は電傘に身を隠しているやも知れず
はたまた豪奢に着飾っているのやも知れませぬが
こちらの意は介さずに
私の全てを
露にしてしまうのです
嗚呼
今宵は貴方がやって来る
既に私は吊洋灯の下
吽