割れる

ワイングラスを床に落とす
優しい衝撃音と散った虚しさ
7つ拾って握り締めた
当たり前のように滴り落ちる血液と
残像に反射した光

私の嫌いを映し出した欠片たちの楽しそうなワルツ
ワインに混じった血液は悲しそうに踊っている

掌に残された孤独な欠片の鋭さを失った冷たい温もりは
能楽を詠いて、人間ではないように、
人間の形をしたモノのように振る舞った

手放されたそれらの愛なんて

割れる

割れる

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-01

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