『 超能力少年の壁 』

俺には超能力がある。

透視だのスプーン曲げだの、手品紛いのあんなもんと一緒にしないでくれよな?

俺の能力は、対象とした生物を完全に支配する力なのさ。

猛獣だろうが大統領だろうが俺と五秒間視線を合わせれば、はい終了。
体も精神も全てが俺の思うが儘なんだ。

この力さえあれば、全世界の支配だって夢じゃない。



「……高橋君、用事ないなら私部活に行きたいんだけど」

「え、ああ、うん。忙しかったのに呼び出しちゃってごめん」


『五秒間見つめ合う』
それだけ出来れば彼女は俺のもの。
簡単な筈なのに……大き過ぎる壁だ。

『 超能力少年の壁 』

『 超能力少年の壁 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-01

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted