ハイ・アンダー

土ってどんな感触だろう?
ふかふか?かちかち?それもとどろどろ?

私は生まれてから土を見たことがない
ううん、今この世界に実際に土を見たこと
触ったことがある人はだれもいないだろう。

そりゃーもちろん映像でみたことはあるよ?
でも!この私の目で!実際に!みたことは
ないの!

みたいなぁ土!地面!
ああ!なんと素晴らしい言葉だろう!
どっしりとしたこの響き
うっとりとしてしまう‥‥‥

そうそうまだ自己紹介してなかったね。
でも、日記に自己紹介する意味あるんだ
ろうか‥‥‥
まあ、もし誰が拾って読んだときのことを
考えていちおーしとこかな?

私の名前はホロウ・クローク・ソラ
ソラが名前ね!
19歳女です!
仕事は地上探索隊第3班所属2等兵!
はい、とりあえず自己紹介はおわり!

あとは今の世界がどういう風になって
いるか説明しようかな?
もしこの日記が未来の歴史文献になったら
きっと未来の人は今の世界の現状が
しりたいとおもうしね!

私がおじいちゃんから聞いた話(正確にはおじいちゃんのおじいちゃんから言い伝え)によると百数年前に世界がひっくり変える出来事が
起こったという。

いやいや、世界がひっくりかえるって例えではなくてまさに世界がひっくりかえったの!
えーと、なんて言えばいいんだろう‥‥

私のひいおじいちゃんの時代では
地面には土(びっくり!)があって
頭の上には空があったらしい。

それがある日突然空と地面が入れ替わったん
だって!信じられないよね!
だってそんなこと起こりうると
おもう!?
まーそこらへんの科学的な難しい話はパス!
ともかく今は空が地面!地面が空!
そーゆーことになりました!わかった?

えーとそれでなんだっけ?
そうそう百数年前までは土がある場所が
地面でない場所が空って話だったよね。
あとは私達今の人類がすんでいる場所の
説明をするね。

土がないのにどうやって住んでるか?
その答は簡単です!
天地がひっくりかえったとき、空と宇宙の
境目に目には透明な薄い膜ができたの。

この膜はとても薄いんだけど強度はしっかり
しててね、隕石とかは今までは一度もこの膜
を通り抜けたことがないって教科書に
かいてあった。

つまり今の人類はこの膜の上に建物を
建ててすんでます!
つまり、太陽の光とかは足元から入って
くるって感じ。
そして私たちが見上げると青い海と黒い
大地がみえるの。

ここからが重要なんだけど今の人類の目標は
この大地に降り立つこと!


そして今この全人類の夢が達成されようと
しています!すごいね!
百年かけて建てられた塔がついに
大地にたどりつこうとしています!
すごいね!パチパチパチパチ。

最初の自己紹介でいったけど
私はその塔を下に降りていって今の地上の状況を確認そして報告する役をやってるんだ。

これは身体能力、判断力などのきびしい国家試験をクリアして初めて地上探索の役を
もらえるんだ。

日記ではこんな馬鹿みたいな口調だけど
実は私はエリートなんです!

まあ、私は後方支援の記録係ですけどね。

さあ、いよいよ明日!地上にむけて出発します!

ハイ・アンダー

ハイ・アンダー

遠い未来、地球には奇妙な現象が起こっていた。 天地逆転、青空は足元に地面は空に。 地面を目指し、ひたすらに上を目指す未来人の物語。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-29

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