『 それは彼にとって世界と同じ重さで 』

彼にとってロケットパンチは最終兵器。
絶大な威力を誇るのだが、その代償が大きすぎるのだ。
体を離れた腕は二度と戻らない。
代わりもない。

「この世界は僕が守るんだ!」

悪の科学者リギアンが操る巨大兵器との決戦で、満身創痍の彼は覚悟を決めた。
巨大兵器の心臓部に自らの左手を撃ち放ったのだ。
彼の活躍でリギアンは捕まり、世界に平和が。



「……よくも、よくも」

そんな彼の右手が光り始めた。
忘れもしない、ロケットパンチ発動の合図。

「いや、ちょっ」

たかがプリンで。
まさかプリンで。

『 それは彼にとって世界と同じ重さで 』

『 それは彼にとって世界と同じ重さで 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-29

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