心詩短編物語

「ねぇ」

『ねえねえ』

「どうしたの?」

『あの雲おっきいね』

「ほんとだ…」

『あの雲の上って歩けないかな…』

「歩けたら気持ち良さそうだね」

『うん!』



『ねえねえ』

「どうしたの?」

『私お空飛んでみたい』

「空を?」

『うん! だってほら』

「おっきな鳥だ」

『自由に飛んでて気持ち良さそうじゃない?』

「ほんとだね」



『ねえねえ』

「なんだい?」

『今日はとっても星が綺麗だよね』

「うん 凄く綺麗だね」

『みんな自分で輝いてるんだって…』

「そうなんだ みんなキラキラしてるもんね」

『うん! ほんと綺麗だね』



「ねえねえ

君は今

どの雲の上を歩いてるのかな

それとも両手を広げて

いつか見たあの鳥と自由に飛んでるのかな


ねえねえ

今日も

星が凄く綺麗だよ」

「君は君だよ」

『僕は誰なの?』

「君は君だよ」

『何故僕はここにいるの?』

「君が今ここに居るのは意味があるからだよ」

『僕はなんで生まれてきたの?』

「君は不満かい?

見える眼も

動く身体も

心臓も動いているのに」

『僕は

自分が嫌いだ』

「君は何がほしいんだい?

力かい?」

『力なんていらない

力があったら僕はきっと人を傷つける』

「じゃあ

名誉かい?」

『そんなものもいらない

あれば僕はきっと人をバカにする』

「それでいいんだよ」

『え?』

「君は君だよ」

『僕は僕…』

「うん

だから何かが足りないんじゃない

君は本当の君を見つけてないだけ」

『見つける?』

「そうだよ

君は君

ありのままの君は

とても素晴らしいんだよ」

『そうかな…』

「そうさ

君は君を失えば

それこそ君じゃなくなる」

『そっか…

ありがとう

僕の中の僕』

「君の夢は」

『君の夢は何?』


「僕の夢はお医者さん」


『じゃあ君の夢は?』


「私はケーキ屋さん」


『君の夢は?』


「僕はパイロット」



「じゃああなたの夢は?」



『僕?


僕の夢は


君達が夢を叶える事だよ』



『だから


夢を


忘れないで』


たとえこの世界が



光を失っていたとしても

「いいんだよ」

疲れたのかい?


いいんだよ


いつも一生懸命なんだから


苦しいのかい?


いいんだよ


ちゃんと僕は見てるから



泣きたいのかい?


いいんだよ


君は泣けなかったんだから


いいんだよ


大丈夫


僕が君を守るから

想い伝える日

伝えたい想いがある


桜咲く季節


あなたの手をとり

泣きながら初めての入学式を迎えたんだったね

あの時をまだ僕は覚えてる


まだ小さくて

あなたの苦労なんて分からず


ただワガママを言ってた僕がいた


蝉が短い時間を奏でる季節


夕暮れがまだ明るく


太陽がまだ熱を残す時


あなたが呼ぶ声


それはどこまでも響くような優しい声だった

あなたの温もりはずっと今でも残ってるよ



空が染まり

落ち葉が紅く染まる季節


肌寒い風が二人の間を通り過ぎる

あなたは僕が寒がると


僕を包む温もりがあったよ


それを僕は覚えてる



雪が降る切ない季節


あなたは僕をあんなに綺麗な場所に連れていってくれたね


寒くても


あなたの温もりはずっと変わらずにあった


僕は覚えてる


あなたの優しさも温もりも



あなたの笑顔も



今年もこの日がきた



伝えたい想いがある



あなたに



産んでくれてありがとう

「あなたへ」

どうしようもなく



疲れていたんだね



本当に



何も出来なかったね



誰にも言えない



あなたの戦いがあったんだね



もう大丈夫だよ


だから



今はゆっくり休んでね



何も考えなくていいよ



ありがと



そして


おやすみなさい

心詩短編物語

観覧していただきありがとうございます

星空第一号です

こんな感じで載せていきますのでまた読んでいただけたら嬉しいです

心詩短編物語

誰にでも訪れる日常 優しく描いてみました

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-10-28

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  1. 「ねぇ」
  2. 「君は君だよ」
  3. 「君の夢は」
  4. 「いいんだよ」
  5. 想い伝える日
  6. 「あなたへ」