『 漂って、オレンジ 』

赤髪の王子様から強引なプロポーズ。
庶民の彼女に拒否権なんてなくて。

そこに現れる優しい黄色髪の幼なじみ。
困っていた彼女に自分の気持ちを伝えた。
二人でこの国から、王子から逃げよう、と。

「どうしよう」

答えが出せないまま、王子様に返事をしなければいけない期日が刻々と迫って……。
よし、このタイミングだ。

「私は魔法使い。悩める貴女を助けに来ました」

さあさあ、後はハッピーエンドへ一直線。



「お前は俺と結婚するんだ」

「僕と二人で、旅に」

幸せは人それぞれ。

「まあまあ、どうしましょうどうしましょう」

ハッピーエンドは人それぞれ。
彼女が望んだのは、死ぬまで現状維持、なんておかしな結末で。

『 漂って、オレンジ 』

『 漂って、オレンジ 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-27

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