『 漂って、オレンジ 』
。
赤髪の王子様から強引なプロポーズ。
庶民の彼女に拒否権なんてなくて。
そこに現れる優しい黄色髪の幼なじみ。
困っていた彼女に自分の気持ちを伝えた。
二人でこの国から、王子から逃げよう、と。
「どうしよう」
答えが出せないまま、王子様に返事をしなければいけない期日が刻々と迫って……。
よし、このタイミングだ。
「私は魔法使い。悩める貴女を助けに来ました」
さあさあ、後はハッピーエンドへ一直線。
「お前は俺と結婚するんだ」
「僕と二人で、旅に」
幸せは人それぞれ。
「まあまあ、どうしましょうどうしましょう」
ハッピーエンドは人それぞれ。
彼女が望んだのは、死ぬまで現状維持、なんておかしな結末で。
『 漂って、オレンジ 』