『 鍵の在処 』
。
「この壁に仕掛けがあるとか……」
重たい鎖を引きずる音が、何もない部屋の中に響いた。
出口を探す事を優香子はまだ諦めていないみたいだ。
「一旦落ち着こうよ。さっきからずっと歩き回ってるだろ?ほら、こっちに座ってさ」
僕とクラスメートの優香子は何者かに監禁されていた。
自分の部屋に居た筈なのに、突然意識がなくなって、いつの間にかこの部屋に居て。
「でも」
足には強固な足枷。
優香子の足にも同じような足枷があり、二人のソレは鎖で繋がれていた。
何が目的で僕らを監禁したのか。
どうやって誘拐したのか。
犯人は誰なのか。
そして、何故……。
「内側に鍵穴があるって事は、きっと室内に鍵があるんだと思う。少し休んでから、二人で探そう」
何故、僕の服のポケットに鍵を。
二人の足枷の鍵と、扉の鍵を入れたのか。
『 鍵の在処 』