『 僕の妹が紫陽花で紫陽花なわけがない 』

「あじさいで世界を支配するんだ!」

たけのりが宣言したのは六日前のこと。
授業中の馬鹿馬鹿しい発言に皆は笑って、本人も笑っていた。



「あじさいが世界を、あじさい様が」

たけのりの隣の席の奴がそう呟いていたのは四日前のこと。
肩から紫陽花が生えていた。



「あじさい様!あじさい様!」

クラスに信者が増えたのは二日前のこと。
たけのりが触れた場所に紫陽花が生え、その紫陽花に洗脳されているらしい。



「……あじさい様」

妹が不自然な巨乳になったのは昨日のこと。
パジャマの胸の部分が、ぺったんこだったおっぱいが、妙に異様に不気味に張っていた。

。。。。。。。。。。

「くそっ、何故君が僕の野望を邪魔す」

妹に彼氏が出来たのは知っていた。
それに文句を言う権利なんか、僕にはないことも分かってる。

「世界を紫陽花の魔の手から救いたかった。人類の救世主になりたかった。そういう事にしといてくれ」

そう言いながら僕はとどめを刺した。
……本当の理由なんて言ってたまるか。

『 僕の妹が紫陽花で紫陽花なわけがない 』

『 僕の妹が紫陽花で紫陽花なわけがない 』

極短小説。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-25

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