凍えた手

まど

月光も当たらぬ路地裏で
不意に首元に感じる 死の零度
 
皮膚に食い込む爪 縊るような手の圧力
凍りゆく血液 振り払おうとも振り払えない

奥の居酒屋から馬鹿笑いが聞こえてくれば
薄れていく感触 傷と記憶
 
命が絶えまなく 時の波に浚われていく喧噪の街に
供養されない手の残像が 握り返す相手を探している

凍えた手

凍えた手

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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