風船男

 とんで とんで 空高く
 とんで とんで 壊れて消えて

 君のいる町のどこか
 黒いネズミの着ぐるみを着て
 風船を配ってる奴がいても
 決して関わってはいけないよ
 風船をもらっては

 とんで とんで 空高く
 とんで とんで 壊れて消えて

 そいつの名は風船男
 どこからともなく現れて
 風船渡して去っていく
 その風船はくり抜いた夢
 空洞の夢

 とんで とんで 空高く
 とんで とんで 壊れて消えて

 風船をもらった人達は
 いっせいに舞い上がり 空へ
 やがて見えなくなるほど高く
 男は不気味に微笑み そして
 人の雨

 とんで とんで 空高く
 とんで とんで 壊れて消えて

 風船男は去っていく
 あふれんばかりの風船を持って
 でもね、きっとまたすぐ現れる
 ホラ、もしかしたら
 君んちのクローゼットにも
 黒いネズミの着ぐるみが

 とんで とんで 空高く
 とんで とんで 壊れて消える
 とんで とんで とんで

風船男

風船男

16歳の時の作品。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-20

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