向日葵

向日葵

向日葵:私はあなただけを見つめる・愛慕・崇拝


「葵ちゃん、おはよう。朝はやいねぇ」

「おはよう。水やりしてたの」


ジョウロを上にくいっとあげてみせた。


「葵ちゃんに毎日面倒さみてもらって、向日葵もたいそううれしいだろねぇ」


おばあちゃんは縁側でお茶をすすり、さっきまで私がいた向日葵畑をみすえた。
この家で私はおばあちゃんと二人で暮らしていた。
近所(といっても数十メートル離れた先の家)には男の子が一人住んでいて、いつも私と仲良くしてくれていた。


「おい、葵。水やり終わったらはやくいくぞ」

「はーい」


彼とは特になにをするでもなく、ただこの村を散歩するのが日課だった。
その中でする会話が、私は愛おしくてたまらなかった。


「ねえカンちゃん。」

「ん? どした?」

「カンちゃんはさ…好きな子とかいるの…?」

「……どうだろうな。お前にはいえねえよ」


彼の返事にいつも惑わされてばかりだった。
暑い暑い夏の日に、いつも会いに来てくれる彼。



私は彼が好きだ――。

向日葵

冬が来る前に夏の花を…と思い向日葵に。
私が好きな花でもあります。
向日葵の彼女にはかなしい話はいやだと思い、明るく幸せそうな話をと思い、片想い現在進行形にしました。

向日葵

花言葉シリーズ第三段。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-20

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