桜

桜:純潔・精神美・高貴

いまでもたまに思い出すむかしの話――


「素敵な歌ですね」


窓辺で口ずさんでいた僕に後輩が笑いかけた。


「なんという曲名ですか?」


後輩は興味深そうに訊ねてくる。
僕は重たい口を動かした。


「なんでですか、教えてくださいよう」


落ち込んだ顔をする後輩に、僕は耳元でそっと曲名を告げた。


「ねらったでしょう…!」


後輩は顔を赤く、目に涙を溜め、怒ったような嬉しがっているような顔をした。



風がそっと頬をなでた。

桜の花言葉のとおりに、精神が透き通りかすんでみえるような表現や、純潔な恋愛ものをと思い書きました。
少しでも多くの人に伝わると嬉しいです。

花言葉シリーズ第一作目。 ショートショートです。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-18

Copyrighted
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