月と砂漠

まど

星の凍えた藍色の空
月は亡霊のごとくたゆたい
眠り込んだ砂漠に動かない影を落とす

月から零れ落ちる砂粒
宝石の輝きたちが透明な空気に擦れ切っては
音も無く墜落する、微かな波紋さえ砂海に残さず

砂漠を流離う旅人は目を閉じて
荘厳な沈黙にただ耳を澄ませる
緩慢に廻りゆく蠍の毒を身に感じながら

月と砂漠

月と砂漠

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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CC BY-ND
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