焚刑

柱に結わえららた我が手足
身体に浴びさる油の悪臭
足元に敷き詰められた薪枝は茨の如し
執行人の手に握る
松明の炎は赤々と!
その明りは我が罪と過ちを悉く照らし暴くのか!
なんと恐ろしい! なんとおぞましい!
もがく手足を縄が締める
十字の柱は揺れるばかり
松明が足元へ下ろされる!
目出し穴から覗く人間の眼!
嗚呼この処刑場に群がる
衆目! 衆目! 衆目!
そこの衛兵よ、後生だ、後生だ
貴方の備えるその槍で
疾く私の脇腹を貫き給え!
幾多の視線に耐えられぬ!
軽蔑にも、憐れみにも、何にも耐えられぬ!

焚刑

聖人紛い

焚刑

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-14

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