春のような君

春のような君

春のような君と出会ったんだ。


観葉植物のように当たり前で、


でもそこに花が咲けば、なぜだろう、可愛らしく見える。



厳しい冬を耐えて生きてきたんだね。僕にはわかるよ。


だって僕は君を傷つけてきたから。


あのとき君が泣いたから、僕は思わず手を差し伸べそうになったんだ。


でもそれはできない。僕らは相容れない関係だから。



さようなら、僕はもう去るよ。


今度は君が、愛しい人をやさしく包んでやるといい。



春のような君に恋をしたんだ。そして僕は君を手放した。

春のような君

春のような君

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-11

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