ゼダーソルン 序
地球が登場しないばかりか地球人も登場しません。SF設定が極甘です。
実に読者泣かせな作品ですが、一度思うままに物語を創ってみたかった結果なのでご容赦を。
せめてもの償い?に、登場人物を人型にし、すべての社会形態を過去~現代の地球人社会と似せました。また13歳男子主人公目線でストーリーを展開させることで、小難しいうんちくを極力省き、学園モノ要素を盛り込んで読みにくさを緩和させたつもりです。
それにしても風変わりな作品で申し訳ないのですが、読んでいただけたら幸いです。
序
世界はひとつ。
ぼくらが知る世界はたったひとつだ。
でも本当は、この世にはパルヴィワンとよばれる、見ることも触ることもできない別世界がおどろくほどたくさんあるんだってさ。
そしてその中のひとつ、ハルバラという世界に棲むぼくらアープナイム・イムの生息域、青みがかった銀色の空間につつまれたアープナイム文化圏が、まだシムナイム宙空域とよばれていたときのこと。
ぼくらの祖先たちは、すべての世界を見通す力、『ゼダーソルン』という伝説の知覚を持っていた。そして、その力をつかえば、たくさんの世界を自在にわたっていけたし、その身に起こるはずの、さまざまな悲しみや苦しみを消し去ることができたそうなんだ。
そんな祖先たちのくらしは、いつだって新しい発見や冒険に満ちあふれ、毎日が夢のように楽しかったにちがいなくって。
そんな毎日が、なぜいまのぼくらに受け継がれなかったのか。
残念すぎて。つい、だれもがため息をもらしてしまうのは、しかたのないことだと思うんだ。
けど。
だからといって。
すこしでも昔をとり戻そうと欲張った大人たちが、なにかっていうと勉強しなけりゃ通らないアープナイムの仕組みを創ってしまったことについては話が別だ。
だって。ぼくらは生まれてすぐ、最短でも十八歳までは勉強に振り回されて、勉強だらけの毎日を送らなけりゃならなくて。
本当、子どもはみんな、すっごく迷惑してるんだからさ。
ゼダーソルン 序
SFのようですがファンタジーです。
宙空都市は、見た目、FFⅩⅢの聖府首都エデンのようなものと思っていただければ。
また作品画像/チャプター画像はあくまでイメージです。