DEAD LIGHT
どーも、TOROSです。初めての投稿なんですが、それなりなものにしていこうと思います。
第一章「終わりの始まり」
雲は青い空の中でゆっくりと漂い、地下では人類発展のために生死をかけ、
必死に働く男たちがいる。その間にある僕たちの世界はまるで腐りきっていた。
第一章「終わりの始まり」
「おい、右京! この前、貸した本よんだか?感想聞かせてくれよ!」
朝から騒々しく話しかけてくるのは同じクラスの「田淵(たぶち) 優(ゆう)」大の小説好きで
いつも俺に読みたくもない小説を渡してくる。「あ、ああ、おもしろかったぞ!」それが俺のいつもの返答だ。
毎回俺はこう言ってるのだが、田淵は何も怪しまずスゲー楽しそうに話の内容を話してくる。
こんな毎日を俺は・・・あ、自己紹介してなかったな。俺の名前は宮沢 右京。
簡単に言えば、なんのとりえもなく、アニメや漫画に出たら完璧にサブキャラになるような感じの、地味な男だと思ってもらってていい。両親はいない。俺がもの心つく前に捨てられた。けど、今更それを恨んじゃいない。おかげで現実を知ることができた。 「・・・ってば」 「右京ってば!」
自己紹介が長引いてしまい田淵が怒ってしまった。どうやら休み時間は終わってしまったらしい。ああ、なぜ学校なんてあるのだろう。学校なんてなくなれば人生楽しくなるかもしんないな・・・なんてたまに思う。そして、このどーでもいい夢は現実になり、俺の人生は悪路へと続いていくことになった。
第二章「明かりの消えた町」
雲の一つもない空だった。小鳥が優雅に空を飛び、外ではおばさんたちが
楽しそうに話している。とても平和らしさのでた、よい一日になると思った。
しかし、俺の予想は外れた。快晴の空に似合わない、黒光りしている一機の
飛行機。そいつは東の方角へ、飛び去って行き、数分後目が開けられないほどの光が一瞬、俺らを包み込んだ。その数秒後に学校の警報機がなり、放送が流れこう告げられた。
「関東地方中心部に核が落とされました。さらなる危険性を考え、生徒諸君は速やかに下校してください。くりかえします・・・。」
家に帰り、ニュースを見た。しかしそこには、建物も壊れてなく、どこにも異常はなかった。人間にも異常はなかった・・・はずだった。けれどそこには傷一つなくただ横になっている「人」が、何百人といた。次の日の新聞には、
「死者100万人以上、原因不明の死。」という記事が一面のトップを飾っていた。この事件を世間は「DEAD LIGHT(死の光)」と呼んでいる。単純な名前だがそれなりに影響力はあった。
次の日学校へ行くと田淵が何かに取りつかれたように震え、なにかつぶやいている。
「みんな死んでなんかない、一度死んでまた生き返ったんだ、これから世界は破滅の道を歩んでいく・みんな死んでなどいない、いち・・・」
ついに小説の読みすぎで狂ってきたか・・・とその時は思っていた。というか、田淵の言っていることを信じていなかった。信じたくもなかった。あの事件が起こるまでは・・・。
第三章「脱出」
例の事件から1か月が経った。マスコミもこの話をネタにすることは少なくなった。皆の記憶からこの事件が消えかかってるころ、俺は学校のトイレで自分自信と格闘していた。朝食べたパンが昔の物だったのである。格闘して十分。
最大のピンチに陥った。
「か、紙が終わった…?」
ここのトイレは誰も使わない誰も来ない、一番安心な場所だった。でも、誰も来ないのが裏目に出て、ついにティッシュが尽きてしまったのだ。「高校生にもなって、パンツに茶色いシミがある。」これ以上に屈辱なことはない。だが、ここまで来てはそんな甘いことは言ってられなかった。あきらめかけていたその時、
「困ってるならこれでも使うがいい」
と、下の隙間からポケットティッシュを差し出してくれた人がいた。それで俺は何とか助かり、外に出てみたが、そこにはもう誰もいなかった。やさしい人もいるもんだなぁと思っていたが今考えると、その声は、少し高く、落ち着いた透明感のある「女性」の声をしていた。 「女?」
トイレ事件の後、急いで教室に戻った。もう、チャイムはなり終わっていたのでもちろん全力だ。ものすごい勢いでドアを開け、荒れた声で「遅れましたぁ!」という。しかしそれを聞いているものは一人もいなかった。というより誰も教室にいなかったのだ。外を見るとみんな何かから逃げるように逃げていく。一階にもまだ人がいた。俺もそこに行こうとしたが、目の前に誰かが立っている感じがした。ふと前を見るとそこには変わり果てた田淵の姿があった・・・
*
お昼休みにて、職員たちは皆お菓子を食べたりなどと自由な時間を過ごしてるものもいれば仕事をやっている者もいる。その中でもひときわ目立つ男がいた。英語科の吉田先生だ。彼は鈍感なイケメンという、いかにもハーレムアニメに出てきそうな男だった。吉田先生は何もすることがないのか、ずっと外を見ていた。「何を見ているんだい?」そう尋ねたのは国語科の坂村先生。彼は嫌みったらしな男ではあるが、成績は優勝であり生徒にも信頼されている。
「いやぁ、あの男性「達」どうしたんでしょうかねぇ」と、そっけない感じでいうのだが、それとは裏腹に外は大変なことになっていた。鉄門の前には10人くらいの男の人たちが、ゆらゆらと立っていた。それを見た坂村先生は「あーゆう馬鹿みたいな集まりがいると生徒に害が及ぶので嫌なんですよね。追い払ってきます。」といい職員室を出た。その数分後、門の前で坂下先生はリンチを「食らっていた」食べられていたのだ。先生の体は肉ごと噛みちぎられ、無残な形になっていく。そして、死んだ。10人組グループは校内へ歩み始めた。
その歩き方はフラフラとしており、まるで映画の「ゾンビ」のようだった。
*
「お、おい田淵?どうしたんだよ、早く逃げるぞ!」しかし、返事はない
田淵は目の焦点がずれ、各関節がだらんと垂れ下がっている。どうも様子がおかしい。「た、田淵?どうっ!?」田淵は俺にいきなり突進してきた。間一髪で俺は避け、田淵の後ろにまわった。はずだった。そこにはもう田淵の姿は消えていた窓があいている。・・・俺は一階に急いで向かった。
一階はなかなか広い、ここら辺の学校では一番大きいだろうなので、混んで動けないということはなかった。校内には田淵のようになった生徒たちがほとんどだった。みんなには体のどこかに血の跡があり、というか、その部分は、かまれた後のような跡があった。人間生まれながらの本能だろう。これは危険だとすぐさま感知した。ここから逃げなければ。 しかし、簡単には逃げられなかった。玄関には人が群がっており出られず、職員玄関も血に飢えた亡者たちが漂っている。この二つのドアを封鎖されればほかに外に出る手段はない。武器さえあればいける。そう考えたのが馬鹿だった。俺は技術室に向かった。何か使えるものがあると思ったからだ。予想的中、そこにはのハンマーがあった。それを取り、職員玄関に向かった。
職員玄関には客がいっぱい来ていた。(すべて亡者だが)少しでも道ができれば出れるのではないかと考えた。相手は人間、凶器を突きつけられたらおびえるだろう。そう考えたのが馬鹿だった、少しの怯みもせず、こちらに向かってきたのだ。こちらも自分の命を守らないといけない。そのためだと、ハンマーをふるった。しかし、そこも人間。人を殺めることに抵抗を覚え、仕留めることができなかった。そのまま押し倒された。血のにおいがする、自分もこうなってしまうのか。でも、いいや。学校なんてつまらなかったし、別に人生で楽しかったことなんてないんだ。俺はそのまま目をつむり終わりを待った。首筋に生暖かい息が当たる。終わった。そう思いたかった、こんな世界で生き延びるなんて無理だ。いっそ死にたい。そう思ったでも死ねなかった。ぼやけた目の先でスカートをはいた髪の長い女の子が、必死に俺を守って戦っていた。俺が起き上った時にはもう、亡者はいなくなっていた。目の前にいる女生徒だけだった。
「大丈夫か?男のくせして情けないな。」
どこかで聞いた声だ・・・
「武器が必要だな、これを使うがいい」
思い出した、やさしく透き通った声、あの時の・・・
「どうした、腰が抜けて動けないのか?だらしないやつめ」
「・・・ありがとう」
俺はそういった。人生で最初で最後だなこの言葉。そう言って、俺たちはみごと学校脱出に成功した。俺はもう助かった気分でいた。これからが大変だということを知らずに。
第四章「仲間」
すこし汚れた窓の外を見ながら俺は考え事をしていた。ちなみにここは車の中。校外に出たときに生き残った先生がちょうど車を走らせようとしていたところを目撃し、乗せてもらったのだ。彼は吉田先生。運もいいなんてモロ主人公じゃねぇかと思いつつ、計5人で行動していた。俺、先生、俺を色々と助けてくれた「大島(おおしま)冴子(さえこ)先輩」、臆病だが無駄にがたいのいい新庄大和、そして、学年一の美少女とされる「織斑(おりむら)理香(りか)先輩」。性格はきつめだが、スポーツ、学力、すべてにおいてトップのいわゆる天才ってやつである。大和は中学から同じだったので、話しやすかった。「右京君、な、なんでこんなことにぃ・・」とかいって、今にも泣きだしそうな目でこっちを見てくる。大和は空手、柔道ともに、全国優勝を果たしている。なので性格を抜いて、とても頼りにしてるのだ。ほかの3人はよくわからない。とにかく緊張感の漂う車内だった。
移動してから何時間経っただろう。あたりはもう暗くなってきた。ここからの移動は危険と先生は判断し、今日は車内で寝泊まりすることになった。これからは同じ世界を生きる仲間だということで先生の提案により、自己紹介をすることになった。
「大島冴子だ。柔道部主将をつとめている。もしもの時の戦力になると思うのでよろしく頼む。」
かわいい顔してるのに、話し方が気になる俺。
「新庄大和です!その・・・よろしくお願いします!」
心の中で突っ込みたくなるのを抑えるおれ。
「織斑理香よ。私の頭脳と運動神経があればこの先怖いものなしってとこかしら、まぁよろしくね」
気が強いけど、頼りになるセンパイっす。
「えー英語科の吉田です。高校まで、サッカーをしていました。みなさんこれから大変でしょうがよろしくお願いします」
緊張感が抜ける音がした。
その後、小さなことから話が始まり、緊張感が徐々にほぐれていった。ちょうど盛り上がってきたころ、今までそこに参加してなかった織斑先輩がいった。
「あんたたち、えらくのんきなもんじゃない?「あいつら」の存在忘れちゃったの?」
楽しかった時間はここで終わった。確かにこれは普通ではありえないこと。映画でもなんでもない。まぎれもない現実。車内の空気はおもくなった。
「車に乗る前にあいつらの観察してきたのよ。あいつらはきっと目は見えないんだと思う。あと、神経がイカレてる。感覚がないのよ。そして、一番重要なのは、かまれたら「感染」する。それだけは注意して、でないと、5分もたたないうちに「あ・・・」
「バンッ!」
車をたたく音がする。よく目を凝らして外を見てみると、そこには「あいつら」が立っていた。暗闇でも目が光っていた。
「開けちゃいけない!ドアを押えるのよ分かった?」
一同賛成する。奴らは思考能力が低くなってるのでドアを開けることができないようだが、まずいことが起きた。
「車、傾いてきてない?」
そういった矢先に車はあいつらに押されて横転してしまった。車体が圧迫されて窓が割れて、あいつらが入り込んで来ようとする。足でけるが、全く動じない。その矢先、
「ギャアアアアアアアアアアアアア」
耳元で叫び声が聞こえた。大和が、けりをしようとした瞬間、外してかまれてしまった。
「ヤメテ、ヤメテ、ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテエエエ!」
大和がかまれた。時間がたてば大和もあいつらになる。そして自分たちも。
このピンチなときに助けてくれたのが、あの大島先輩だった。
いつ外に出たのかはわからない。でもすごかった。さすが剣道部というだけあって、木刀ひとつで「あいつら」を薙ぎ払っていく。その姿はまるで武士そのものだった。その間に俺たちも外に出て逃げた。ここの近くに先生の別荘があるといい、そこまで無我夢中に走り続けた。しかし、別荘にたどり着くあと少しの時に、大和が血を吐き始めたのだ。
「もう、僕はだめだ、僕もあいつらみたいになっちゃうんだろう?それならいっそ、僕をここで・・・」
正論だった。このまま大和を連れて行けばいずれあいつらになり、襲ってくるだろう。それを防ぐためにここで・・・と、考えた矢先
「・・・分かった。よくぞ決断した。お前は立派な男だ。」
大島先輩は言った。そのあと、とても優しい笑顔を見せた。大和はその笑顔を見て、号泣した。怖くて泣いてるのではない、男としての誇りを守れたことに泣いているのであろう。その後、先輩の手によって誇りは守られた。それと同時に絶対に生き残るという思いが全員に生まれたことを俺は確信した。
第五章「作戦」
あれから30分、肉体的にも、精神的にも皆はもう疲れていた。俺にも限界が近づいてきたころ、ちょうど先生の実家についた。「おぉ・・・!」と、皆から安堵の声と、その家のすごさが口から出た。
「いやぁ、こっちにはあんまり来ないからさ、あけているうちに泥棒なんかに入られたらやだくてさ、結構厳重にしてるんだ。」
にしても、すごすぎないかというくらい安全性があった。塀も高く、それなりの厚さも持っている。扉も暗証番号でしかあかなく、引いても押してもビクともしなかった。家の中は、シンプルな洋風の部屋でキッチンは広く、トレーニング室や、ビリヤードの部屋などもあった。安心性と、優雅さに皆、気が抜け、近くのいすに座り込み個人の時間を楽しんでいた。その間、俺と先生は鍵などの厳重チェックをし、安全確認を済ませた。部屋に戻ると、疲れて皆すやすやと眠っていた。1日で大変なことがいくつもあった。平凡な日常生活が終わり、人が死に、自分もいつ死ぬかわからない。そんな中で、安心できる場所を確保できた。安心するのは当たり前だろう。あ、なんかおなか減ってきた。ここ食べ物あるのかな?などと思っていると、どうやらお風呂に入っていたらしい先生が、首からタオルをかけて眠そうな顔して戻ってきた。
「女子は寝ているようだから宮沢くんも入ってきなさい。後で入るタイミング逃すといけないから」と、眠そうに言ってくる。「お言葉に甘えて。」とだけいい、風呂に入った。風呂から上がると、いい香りが漂ってきた。リビングに向かうと、ホントに自分で作ったのかと思うほどの、おいしそうな料理が並べられていた。イケメン、鈍感、サッカー少年、料理上手、思いっきり主人公じゃねーかと、またまた思ったりする。匂いにつられて織斑先輩、大島先輩も起き始める。そこはやっぱり女子だった。目を輝かせて、今にもよだれが垂れそうな口をしてこちらに駆け寄ってきた。
織「これだれが作ったんですか!?」
吉「ん、勿論先生だよ?」
織・大「先生、すごいですね!」
吉「あんまりほめないで下さいよぉ、さぁ食べて食べて。」
・・・将来こういう大人になろうと、決意する俺だった。 夕食後、これからの行動についてみんなで話し合った。その結果、まず警察に行くということに決まった。警察なら、何か情報を知っているかも、武器があり、守ってくれるかも、そう考えていた。しかし、ここから警察署までは、約20キロほどある。その間に「やつら」に遭遇せず、たどり着くことができるのか。それは無理であろうと判断した俺たちは、先生のトレーニングアイテムや家具などを改造し、簡単な武器を作った。俺は簡単に鉄パイプ。実は小学校の頃に野球をやっていた。4年間ずっと補欠だったが。織斑先輩は、どれをどーやったらそうなるんだというものすごいものを作ってしまった。簡単に言えば「銃」である。「結構これ反動大き目だから、私使えないのよ」と言って、先生に渡された。弾は釘で、「これならたくさん入手できるわ」ということらしい。この人は下手するとあいつらよりもこわいかもしんない・・・と、少しビビる俺であった。大島先輩はもちろん木刀を使った。織斑先輩は棒に包丁を巻きつけたやりみたいなものを作った。武器は完成した。武器を手にしたことで少し余裕が出た。余裕が出すぎていた。武器を持てばあいつらは倒せる。現実そんな甘いものではなかった。俺たちはまたもや窮地に立たされていた。
第六章「真実」
第六章「真実」
今僕たちは、細い路地を歩いている。というより逃げ回っているんだ。町の中は学校以上の荒れ模様だった。道にはあふれんばかりの血肉、その上を歩く亡者たち。いくら進んだって景色は変わらない。そして今、進めない状況に立っている。
「これどうすんのよぉ!」
「無論倒すしかないだろう。」
「争い事はあまり好きじゃないんですけどねぇ」
今現在、俺たちは100以上いるあいつらに囲まれていた。近づいてきたものは端から倒していった。しかし数が多すぎる。あの大島先輩だって疲れの色が見えてきた。先生も銃の玉が終わってしまい、鉄パイプで戦っている。ぶっちゃけどうしようもなかった。逃げ道もなく、倒す手段もなくなってきている。きっと数も増えてきているだろう。絶望感を覚えた、俺は武器を捨てた。俺の人生バットエンド。ほかのみんなもそう思っていた。そして、俺はそっと目をつぶった。そこからの意識はもうなかった・・・
どれくらいの時間がたったのだろう。俺は目を開けた。そこにはただ真っ黒な空が映っていた、いや、車の中だった。とても高級そうな車に乗せられていて、横には大島先輩と織斑先輩、助手席には吉田先生が座っていた。運転席には色黒スキンヘッドのサングラスをかけた外国人がが平然と運転をしている。
話を聞くと、俺が目を閉じた後すぐにこの人が車に乗ってきたらしい。あいつらを思いっきり引いてきてそのスピードの反動のまま俺ごと跳ねてしまったらしい。「ありがとうございます。でもなんで・・・」と聞くと、
「「お嬢様」がいらしたからでございます。」
手慣れた日本語でそういってくる。ん。「お嬢様?」俺は首をかしげた。
「はい。理香お嬢様が、お亡くなりになられると困りますので。」
お金持ちだったのかー。んじゃぁ性格以外もうパーフェクトじゃないかと、ねたまずにはいられない俺がそこにはいた。織斑先輩のお父さんは、現内閣総理大臣の秘書、お母さんは開発者で、人口衛星を作ったという、とんでもない人だった。車に乗せられること30分ぐらいたつだろう。目の前に豪邸が現れた。
またもや安全地帯発見だなと思う矢先、そこではとんでもない話が聞かせられた。
「今回の事件はアメリカ政府で作り出した新型ウイルスの核実験によっておこったトラブルなのです。我が国日本は条約を結んでいたため、そう簡単に実験台になることを拒むことができませんでした。さらに、実験後には日本に莫大な資金を送り、さらに沖縄の米軍基地も撤去するという、こちら側にとってはとても好都合な話を持ち出してきたのです。それを聞いた総理は、簡単にその話に乗ってしまいました。その結果これです。東京上空に核が落とされたため、総理もなくなりました。そのせいで莫大な資金もなし、米軍基地も残るというただ、ウイルスに感染しただけの国になってしまったのです。最初からこうするつもりだったのでしょう。日本をつぶすために。しかしウイルスは全世界にまでいきわたってしまった。これはアメリカも計算外だったでしょう。もうすでに、ほとんどの国が滅びてしまいました。」
俺らは言葉をなくした。日本をつぶすためにウイルスを作り、人を殺す。土地はそのままだから無傷な日本が残る。それをあいつらはもらっていき完全に自分たちの土地にしようとしていた。やはりこの世界は腐っていた。自分たちの利益のため簡単に人を殺し、だまし、自分たちの思うままにする。総理も死んだ。これから何もなすすべもない。ただ死ぬのを待つのみ。俺らの希望は完全に消えた。
しかし、その時織斑先輩が立ち上がった。
「ウイルスなんでしょ?なら、治す薬を作ればいいじゃない。」
簡単に言った。しかしそんなこと簡単にできるもんじゃない。そんなことは俺たちには無理だといおうとした。でもその前に
「あいつらを捕まえて、血を摂取してその成分を調べてその逆の物を作ればいいじゃないの?」
といった。だが、それで治るとは限らない。しかし希望はあった。それにかけようと思う。織斑先輩のお父さんや、執事や家政婦などは皆反対した。そういうことは学者さんに任せればいよいのだと。いざとなればお母さんのいる宇宙に逃げて、そこで暮らすこともできる、あなたたちはそこまで無理することないと、全員が反対した。しかし、俺は思った。宇宙で暮らしてもまた今までと同じ何も生きがいのない生活を送ってしまうのではないかと。それならば、この世界で日本を救うスーパースターになってもいいんじゃないかと。
「俺、ここに残って研究します。必死に勉強して、やり遂げて見せます。」
ちょっとかっこつけてみた。言い方がちょっと変だったのかみんなの目がしらけていたが、その後すぐみんなの目に火が付いた。
「よく言ったわね、私も残るわ!」
「私も残ります。」
「無論、私も。」
みんなの意見がまとまった。こうして長い、長い休み時間が始まろうとしていた。
最終章「一人はみんなの為に。
歴史上もっとも最悪な事件が起こったあの日から約80年が過ぎた。町は何事もなかったかのように人であふれかえっている。ケータイをいじってるひと、就活して人、チラシを配ってる人。とにかく人であふれかえっていた。俺は実験を成功させた。俺は教科書に名前が載るほどのスターになっていた。もちろん俺の名前だけだ。
*
あの日、「俺はみんなを宇宙に連れて行ってください、犠牲を増やさないためにも俺一人で研究します。」と、きっとその時の目は、希望や、やる気に満ち溢れていたのだろう。少しの沈黙の後、織斑先輩のお父さんはうなずいてくれた。確かにはたからすれば俺の手柄にしたいからとか思われるかもしれない。でも、やりきる自信はなかった。死ぬのではないかという恐怖心の方が大きかった。しかし俺は残った。生きがいが生まれたからだ。今までの俺には何も取り柄がなく、なにもできなかった。。今回の事件だってそう。いち早くあきらめて、助けられることしかなかった。俺は輝くことができないのか。そう思ってた。でも違う。輝こうとしていなかっただけだ。人の甘えて適当に暮していればいいなどという甘い考えがあったのだ。だから俺は今回命を懸けてまで「一人」でやりたかった。
*
まぁあの時は簡単に終わるだろーと思ってた俺がいけなかったなと、思いだし俺は年季のかかった椅子の上で笑っていた。もうすぐ100歳にもなるジジィが、何もないとこでいきなり笑いだしたらついに壊れたと思われるだろうと思ったがそれでもよかった。思い出し笑いなんて、今まででしたことがなかったから。ちなみに俺は今でもぴんぴんしている。だが最近ちょいとおなかの調子が悪い。あ、ヤベでそう・・・急いでトイレに駆け込んだ。しかし、出し切った後に気付いた。「・・・紙がない。」100歳にもなるジジィのパンツに茶色いシミがあるってのはまぁそこまで変に思われないだろうと、自分に言い聞かせていると、ドアの前に何やら人の気配。するとその人は
「困ってるなら、これでも使うがいい。」
ティッシュをくれた。
・・・懐かしい、やさしい声がした。
END
DEAD LIGHT
それなりの自信作になりました。ご朗読ありがとうございました