悪の才女

拓海と才女

百合根 凜。あいつはそう名乗った。
いかにもお嬢様って感じで、多分世間知らずなんだろう。
隣に引っ越してきたらしい。

「これから宜しくお願いします。」



学校では同じクラスになった。
担任の町田が言うには、ピアノ、バイオリン、作曲、作文、絵画、書道などのコンクール
で、たくさんの賞を獲った才女だと。

何でだか、随分細かいところまで覚えていた。
今思えば、それは、虫の知らせだった。

放課後、俺はあいつの後を追っていた。
すると、あいつの声が聞こえてきた。
「ねえ、どうすれば良いかは分かってるのよね。」
とても冷たい声。
男がそれに応え、
「もう、金は無い。頼むから黙っててくれ。」

「嫌」
男はナイフを取り出した。
あいつは、それを弾き返して、男を地面に押し付けた。
俺はもう、動けなかった。
あいつは不意にこちらを見た。

悪の才女

悪の才女

ある日隣に引っ越してきた凜。どこもかしこも完璧な彼女は...

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • アクション
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-03

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