言葉の大事さ

日常的な嫉妬。

「おはようございます。こんにちは。こんばんは。」
 ありきたりな挨拶だからこそ常識だな、と改めて思った朝。
 私はいつものように支度をし、下へ向かう。
「行くぞー」
行動しているのに、それをせかすように父親が私に声をかける。
「・・・はーい」

イラつきながらも、返事をするとまたいつものパターンだなって思う私。

こんな平凡に暮らして、
私は充実できているのだろうか。

そう思い始めると、

「とても気に入らない」

これは周囲に対しての嫉妬。
・・・・私は器が小さいとまた実感して、腕を切る。

変わらない日常。

「589円になります。」
無言に小銭を渡す私に毎回おじさんは
「今日も寒いなし、学校も辛いだろう?」
と、話をかけてくる。別に嫌ではない、でもめんどくさい。

「あー寒いですね、ま、慣れたから大丈夫ですよ」
一応、会話に答える私。
こんな会話が習慣なんて、つまらない。

学校到着。

私は、登校指導を受けたくないから8時前には学校に行くようにしている。
教室内は電車組がちらほらといるだけ。

「おはよー」

別に挨拶してもいいが、基本的に朝は返す確率が低い。
ただ空回りの挨拶が嫌で私は無言のまま席につき朝食に食らいつく。

残念ながら、私が食事をとるだけで別に人は寄ってこない。
いや、寄ってきても困る。
話をかけてきても

「今は、優雅に朝食をとる時間だ。」

厨二的な言葉を並べて、追い返す。
私が考える普通であれば
「へー、そっか」
と吐き出して、他の人の元へ向かうはず。

でも、生憎このクラスの連中は学校内でも個性が強い人間の集まりらしい。



「・・・いや、家で食ってこいよ」
はい?何様のつもりですか。と私は不機嫌そうに相手に視線を向ける。
「だから、家で食えば金かからないだろ?」
どうやら食事の内容ではなく金銭的な事に関して心配をかけてくる人間だった。

「食事じゃなくて金銭に関しての疑問か?不思議なやつだな」
毒を吐くように返答する私。

いっておくが、私はクラス内では落ちつきながらも毒を吐く冷たい人間だと思われている。
ま、自称だが、

「つか、何で家で飯食わねえの?神田ってちょっとずれてるよなー」
「は?私は登校指導に捕まりたくないの、お前に言われる筋合いはない」
「あー、そうですか」
そういいながらも、御神は私の近くから離れようとしない。

・・もしかして、御神は私に懐いているのか?
そう考えれば百合フラグが降臨しているといっても過言ではない。

こんな考えは、私だけではなくクラス内はネット使用者が大半であって
いくらこんな厨二的な事を言葉に出したとしてそれに対してツッコミがくる。
「百合フラグ・・これは絡めばいいのか?」
試しに御神の耳元でわざと言ってみる。
「はぁ?ば、ばかだろ・・なんでお前何かと」
いかにも動揺する相手に対して、何かと支配欲が芽生える私はちょっと
素質があるかもしれない・・・。

「ま、冗談だけど」
笑いながらいうと何故か御神は笑顔になる。
そんな隙を見せられたら、私はいつの間にか御神に対してちょっかいを出していた。

「や、やめてよ、くすぐったいだろ」
「え?どうしたの?ニヤついてるけど」

こんな絡みをしなければ、私は基本的に無言だ。

チャイムがなり、HR長がいつものように
「席について朝自習―!」
と近くで呼び掛ける。
正直、HR長は嫌いだ。いや、まだ苦手とでもいっておこうか。
クラス内でもあまり絡みたくない人間の部類に値する。

私のクラスは40人いて、男女比率は7:3という感じであり
他のクラスから見れば男女仲良いクラスだと思われているらしい。

所詮、見た目だけの話だが。
また自分の事ではなく、周囲からの見たクラスとかを考えてしまう私は
ただの被害妄想が強い女だ。

そんなのは自覚している。

容量の小さい心。


チャイムがなり担任がくると、また変わらない学校生活が始まる。
授業受けて、移動して、飯食って、人と話して、これの繰り返し。
最近変わった事といえば、ただ放課後に課外授業が増えただけ。

今日は4日目の課外授業。
反抗的な態度もとらずに配られた問題を解き始める、
「しっかりやれよー!」
分かってもいることを指図してくる先生。
うるさいな。と思うのに今日は集中しているせいか全然思わなかった。

「神田―、腕見せて」
この一言に私は反応したが、返答はしなかった。
「おい、無視?死に損ないが。腕に絵書くくせに」
普段の私であれば冗談で受け止め、流す言葉である。
さすがに集中しているせいか、この言葉に対して怒りと屈辱を感じた。

「は?何いってんのクソガキ。人に対して偏見的な言葉を
はくくらいなら 少しは成長しやがれ」

言ってしまった、私が抑えておけばよかったのに。
「おー、怖い。神田怒るなってー」
「知るか」
無視をした。こんな奴と話したくもない、久々に怒りを実感した私は
とても情けなくなった。

席を立ち、後ろの席にいた安斉に
「ちょっときて」
と言い廊下に飛び出した。
私が向かった先は、窓。




そう、もう切りたいではなく飛び下りようなんてバカな行動をとった。
でも私は窓付近ではなく掲示板付近で崩れた。
泣いた。息が苦しかった。
「大丈夫、どうしたの」
安斉の言葉すらよく聞き取れない。
「もうやだ・・死にたい」
心に思ってない言葉を吐き出しながら、私はずっと安斉の胸を借りて泣いた。

気がつけば、複数の先生が私達の周囲にいた。
「大丈夫?」
・・・やってしまった。
もう自分の中で何かが崩れたような気がした、でも涙が止まらなかった。

1人では立てない状態になり、先生と安斉に連れられ移動することに。


外はとても寒く、私の涙はとても熱かった。
感情混じりの涙だから熱いのかな。

雪が積もる外の道は歩きにくかった。

人が私の身体に触れているのに、暖かさを感じ取れない。
孤独感と拒絶感が私を襲った。

「神田どうした?大丈夫か」
気がつけば、私はソファに座り安斉と先生達に囲まれていた。
「あ・・・・はい、大丈夫です」
言葉に出すが、人と目を合わすのが怖かった。
ただひたすら下を向き、短い前髪から目が見えないように必死な私。

「HR長と荒木・・関連で何かあったか?」
と、担任が言った。
「いいえ・・違います。私は大丈夫です」
「いや、心配かけてもいいんだぞ?」
私が気を遣っていると見て、担任は優しい言葉をかけた。
でも・・・私は、すぐには言えなかった。
明日から担任は部活で2日間いないから、クラス内で問題を起こしたくない。と
小声でつぶやいた。

「はあ・・神田はバカだな。考え過ぎだ。
 担任には頼っていいんだぞ?私の心配なんかすんな」
「え、でも先生がいない時に限って問題を起こしてしまったら・・」
私は良い子に思われたいなど、勝手に野望があったせいか綺麗事しか言えなかった。

「真面目すぎるな」
担任以外の先生がつぶやいた。
「え?私は全然違います」
と反抗した。私が真面目なわけがないだろう。
どちらかと言えば外れてるほうだ。

また自分を攻めた。

私が自覚しているのは、自分は悪いところばっかりだ。
真面目なんかじゃない。

でも、人に良いところは見つけてもらいたい。なんて
思っていたかもしれない・・・。

私の支え。


2時間ほど、ずっと落ちつくまで私は
人と話をした。
ただ、認められたかったかもしれない。
落ち着いてから、思ったことは

「私はメンヘラにはいるよな」
少し笑いながら、安斉に言った。

私には、自傷癖があり過去には摂食障害もあった。
決して「死にたい」と思って切っているのではない、落ち着きたい。
悩み過ぎて体調を壊すなら、痛みに向けたいと思ってしまったのがダメだった。

気付けば、腕は傷だらけ。
そんな腕を安斉に見せて
「情けないよね、私が気を張ってないからこうなっちゃって
 心配をかけてごめんね。もう大丈夫だよ」
説得力もない言葉をかけた。

無言で安斉は私の頭を撫でた。

「ふふっ」
とっさに笑ってしまった。
私と身長差が13cmもある自分より小さい安斉が背伸びをして
私の頭を撫でる光景をみたら微笑ましくなっちゃって。

「小さいな」
「あー、もう!また小さいって言った」

落ち着いたら、もういつもと変わらない安斉との絡み。

一時的に病んだ私の精神は、いつの間にか落ち着いていたらしい。
話を聞いてくれた先生方、一緒にいてくれた安斉に

「ありがとう」

と私は言葉をかけた。

言葉の大事さ

日々予定を詰め込む神田奈々。
最近できた友人の安斉ひたぎ。

神田は過去に人間関係でトラブルがあり、過呼吸など起こす時が多かった。
ひきこもり気味になるが担任にある時、安斉と話してみたら?と呼びかけがかかり

それがきっかけで安斉とは友人関係に。

でも、人に迷惑をかけたくないという自覚はしてない優しさで
自分の事を一番に考えられなくなった神田は

自分に厳しくといいながら
いつもと変わらない日常を過ごしていた。


一時的にすべて崩れてしまうのが彼女の悪い癖。

言葉の大事さ

私の実体験であり、 恥ずかしい行動でもあります。 簡単に死にたいと思った事は日常で起こる些細な事であって それを行動に出してしまったら取り返しのつかない事になります。 ただ吐き出したいという理由で書いたもので 見ずらいと思います。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-01-20

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  1. 変わらない日常。
  2. 容量の小さい心。
  3. 私の支え。