僕の愛しきしもべ達よ。

僕には2人のしもべがいる。
とても忠実で、主人関係が鎖のように固まっている。
2人のしもべー、アイミィとケレン。この2人がいずして僕は生きていけるのだろうか。
生きていけるときが来たらこの2人とはばいばいしなければならないのだが。
主人ー僕の名前がミシェル・クロウ。文武両道の天才中学生。世間は僕のことをこう言う。だが、それは全て2人のおかげ。彼らなすして今の僕はいないだろう。
大手会社ミシェル・フウロの1人息子。これが僕のステータスでありレッテルだ。
その息子は全てにおいて完璧でないといけないらしい。
普通なら無理だが2人がいれば大丈夫であろう。きっとー

僕のしもべはどこよりも忠実であり、完璧であろう。なぜならー

チュンチュン…
鳥の鳴き声と朝の日照りとともに僕を安らぎの時間から引き離す1人の女性。
「朝ですよ。おぼっちゃま。」
目を開けれず悪戦苦闘する僕に暖かく、でもどこか儚い声をかける1人の女性がそこにはいた。
「アイミィ…朝早くからご苦労だな。」
今は朝6時。だというのに綺麗な容姿で毎日僕を起こしてくれる。しもべだからこその生活なのだろう。
「ふふっ…わたくしはあくまでもしもべ、ですから。おぼっちゃまを起こすのも仕事です。」
ふんわりとしたロングの髪を風とともになびかせながらクロウと会話をする。街のものが見たら求婚ものの容姿をもつのがアイミィの特徴だ。その上、家事も上出来、性格も優しく相手をいつも見る。まっすぐな黒い瞳に茶髪の髪の毛、きりっとした顔立ち。こんな女、そこらじゅうにはいないはずだ。
「それもそうだな。今日もケレンは朝食作りか?」
「はい。今日の朝食はフレンチでごさいます。」
アイミィは毛布を片付け今日の服を急いで用意した。
「本当は、お父様がいない今、自分でやることなんだろうが。」
少しため息をつきながら罪悪感に酔いしれた。家事ロボットではないのだからアイミィとケレンを休ませてあげたいというのが本音だった。
「そのお父様に頼まれ、ぼっちゃんの面倒を見ているのですからぼっちゃんが罪悪感を感じる必要はありませんよ。」
4、5分して朝の支度は終わった。これから僕の忙しい1日が始まる。
「さっそく、今日の予定をお伝えいたします。今日はヴァイオリンの先生とお習字の先生がいらっしゃります。稽古が終わったらマナーと勉強の予習。これも終わりましたら自由時間でごさいます。」
長い階段を降りて突き当たりのでかい食堂へ眠気を振り切りながらも行く。この館は階段のトラップがいくつもある。そのほかにも武装用の部屋や訓練施設も設置してある。だが、この2人がいるなら、必要はないだろう。この綺麗な容姿からは想像もできない銃さばきを得意とするのもアイミィの特徴だ。ケレンも同じく文武両道で少し長い髪を結んだ少しちゃらけた容姿。だか、美少年には変わりなくまた、家事も完璧で彼の作る料理は三ツ星シェフ顔負けの味をほこる。またかれも同じく剣を扱うのを得意として、ねずみ1匹をも逃がさない腕前だ。
「おぼっちゃま、起きましたかー。早くしないとフレンチの味どきを過ぎてしまいますよー。」
そう言うとケレンはナイフとフォークを渡し飲み物を用意して厨房へ戻って行った。
「味どきをすぎようが美味しいことに変わりはないから安心しろ。」
クロウがそう言うと厨房のほうから少し声が響いたケレンなりの感謝が耳によぎった。
「おぼっちゃん、あと1時間後にはヴァイオリンの先生がいらっしゃります。いつもより早めのご準備を。」
アイミィは用意しておいたヴァイオリンを傷つけないようにゆっくりと床に置いた。
「分かっている。もうすぐひいおじいさまのレクイエムだからな。」
「由緒ある、ミシェル家の名を汚さぬよう、レクイエムはなんとしてでも成功されないといけませんね。」
クロウは少しため息をつきながら頬をつきはじめた。
「このレクイエムは僕の跡取りにも影響するからな。失敗は許されないだろうな。」
ヴァイオリンを見つめると年季のはいったヴァイオリンケースがキラリと光る。
「おぼっちゃま、お食事中に頬をついてはだめですよ。」
「あぁ、悪い…」
ケレンは厨房で食器の片付けを静かに遂行していた。こういうところはケレンの気が利くところだろう。
「最近は、資産家やお金に余裕があるところを狙った不法侵入のケースが増えてますからね。じゅうぶん注意しないといけませんね。」
そうアイミィが言葉を放つと僕は呆れながら窓辺を見る。
「お前らがいれば注意もなにもないだろう。」
「そうあれば、いいんすが…。」
窓辺を見ていると怪しい影が2、3人この館に入ろうとしていた。
「誰だ、あいつら…?」
そんなことを言ってるあいだにやつらは館のドアを強引にあけ館にはいって行った。
「…誰であろうと、無断でこの館に入るものは放っておけませんね。噂をすれば影。とでも言いましょうか。」
奥の厨房からも声が聞こえた。
「だろうねー。久しぶりにいっちょやる?。」
「由緒ある館、ミシェル家に無断で入ってくるやつらは…処分せざるおえないでしょう?」
お父様がこの館にいないため、実質の家主はこの僕。やつらを生かすも殺すも僕の判断で決まる。
「ふん…このミシェル家に土足で足を踏み込むとは…いい度胸ではないか。アイミィ、ケレン。命令だ。やつらを捕まえろ!」
『仰せのままに。』

僕の愛しきしもべ達よ。

やり残したことはもうない。←
アイミィとケレンとクロウのかけあいがむずすぎて困った。そのためケレンは影が薄くなってしまった。はい。
読んでいただきありがとございました。
初心者ゆえの国語力のなさはスルーしていただけるとありがたいです。
私が主従関係ものの小説を書いてもよくワカラナイであろうが、自己満足で書いてみました。笑
暖かい目で見ていただけたら光栄です。

僕の愛しきしもべ達よ。

3人の主従関係。それは娯楽であれば苦しみにもなる。 クロウの過去は冷たく儚い。 アイミィの過去はあまりにも悲惨。 ケレンの過去は人間不信の末路。 こんな3人が集まって主従関係が生まれた。 しもべーそれは、最高の娯楽と罪悪だ。

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted