くらうの自転車探訪記 番外編 ―阿波踊り編―

くらうの自転車探訪記 番外編 ―阿波踊り編―

序、 ぷろろーぐ ~ メタ発言ばっかりだヨ! ~

「いやいや、2作目でいきなり番外編かよ!」
 突如、1行目からきょーこのツッコミで始まった。しかもツッコミがメタ発言じゃねーか!
「いやまあ、時系列的にここだし、本編にするには短すぎるからなあ」
 困ったように呟くのは、前作同様主人公であり筆者でもある、くらうでぃーれん(長いので以下くらう)だ。
 初っ端からツッコミで開始したのは、くらうと同じ部屋に住まう1人の少女、きょーこである。きょーこは机の上にあぐらをかいて座り、呆れたような視線をくらうに向けていた。
 机の上で、というのは決して、きょーこがとても行儀が悪いという意味ではない。まあ、普段良いわけではないが。
 きょーこが机の上にいなければならない理由は簡単、そうしなければくらうと普通に会話ができないから、である。
 と、いうのもこのきょーこ、男女が同じ部屋で生活しているなどといえば何か甘酸っぱい展開でも待ち受けていそうなものだが、残念なことにくらうときょーこの間にはそのような空気は全くない。理由はきょーこの見てくれである。
 腰を大幅に超えるほどに長く伸ばされた、燃えるように赤い髪は黒いリボンでざっくりとポニーテールにまとめられており、いつも同じ淡い黄緑色のパーカーにデニムのホットパンツ。鋭い目つきに口の端からのぞく犬歯は、彼女の好戦的な性格をわかりやすく示してくれているかのようだ。
 ――そして頭の上には銀色の輪っかと、そこから伸びる、ぶら下げるのに便利そうな1本の黒い紐。
身長約3センチメートルの彼女は、どこからどう見てもストラップだった。だがしかし、きょーこはしゃべって動く。理由は不明。くらうは当然、きょーこ自身よくわかっていなさそうである。以前なぜかと尋ねたところ、「当たり前だろうが!」となぜか怒鳴られてしまった。非常に理不尽だ。
 そしてこの謎怪な物体が、前作に引き続きくらうの旅のお供の1人である。なぜくらうが旅のお供にきょーこを選んだかというと、「きょーこは知的で優しく、ナイスバディでエレガントなのでくらうはきょーこが大好きだからである」
「こらこら、何気に地の文に割り込むなよ」
 お察しのいい皆さんならもうお分かりのこと、きょーこはアホな会話の盛り上げ要員である。ちょっとといわず頭の中身は残念だが、大事な役割である。
「‥‥なんか、今どこかでバカにされたような気がするんだけど」
「気のせいだ。キニスンナ」
 きょーこは小さいくせにやたら迫力のある目でくらうを睨み、すぐにため息をついた。
「‥‥で、今回はどこに行くんだ?」
 そう、この話は旅行記である。つまりくらうたちはこれからどこか目的地に向かうわけだが。
 くらうはきょーこの質問に答えず、すっと両腕を頭の上にあげ、指先を真っすぐにのばしわずかにつま先立ちになると、突如くねくねと怪しげなステップを踏み始めた。
「う、うおお、なんだよ気持ち悪りいな。そんな躍りであたしのレベルを下げようったってそうはいかねえぞ。このパーカーはステータス低下を無効化する効果があるんだからな」
「ちげえよ。ほら、この踊り知ってるだろ」
「知ってるわけねえだろ、そんな気味の悪りい踊り」
 しかしくらうはめげることなくその踊りを続行し、有名なフレーズを口ずさみ始めた。
「踊る阿呆に見る阿呆♪」
 それを聞いてようやくきょーこも奇怪な動きの正体を悟ったらしく、ぱっと表情を輝かせた。
「あ、それならあたしも知ってるぞ!」
「同じ阿保なら踊らにゃ?」「ポン! カン!」
「あーっ! 惜しいけどだいぶ違うな!」
「ロン!」
「振り込んじゃったー! ‥‥じゃねえよ!」
 ビシィ! と踊りの手のままにくらうの鋭いツッコミが入る。
 そして、くらうときょーこは満足そうにニッ、と笑い合った。お互い、満足のいくボケツッコミの掛け合いができたからだ。
 ツッコミが入ったにも関わらず、この場にはツッコミが不在の恐怖がまちうけている。
「で、正しくは踊らにゃ孫々(そんそん)だよな」
「うーん、音はあってるけどなんか三国志みたいになったな」
 詳しくないからホントにそんなのいるのかはしらないけど。
「で、それはあれだな、阿波踊りだ」
 きょーこはすぐに軌道修正。物語としてありがたい存在である。
「その通り! 今回は阿波踊りに行こうと思う!」
 くらうは謎の怪しい踊りを再開しながら答えた。
「で、阿波踊りが始まるのは夕方からだから、どうしても1泊することになるんだよ。で、またモゲん家に泊めてもらうつもりなんだけど、日をまたぐし距離も往復150kmくらいになるから、まあ番外編程度かなー、って思って今作」
「なるほどなー。じゃあかなりの短編になるわけだ」
「そういうこと。でまあ、前回のがやたら長かったし、見かけたところでなかなか読みだしづらい人も多いだろうから、今回のは短めで区切って出来るだけ読みやすくして、くらうが書いてるのがどんな感じのお話かってのを、雰囲気だけでもわかってもらえたら嬉しいな、って魂胆」
「なるほど。今流行りのステマってやつだな」
「え、いや、けっこうダイレクトだと思うんだけど‥‥まあ、というわけで、四国一周編を読んでなくても、これから読み始めてもわかるような内容で進めていく感じだからな」
「わかった。いやー、しかし前回は夜は寒くて大変だったよなー」
「お前今わかったって言ったよな。前作ネタはNGって言ってんだろ!」
「おいおい、今のはお約束だろ?」
「そ、そうだな。そこは納得せざるを得ない」
 そういう返しを求めていたのは否定できず、くらうは言葉に詰まる。
「でも、なんでいきなり阿波踊りなんだよ」
 きょーこの質問に、くらうはふふふ、と薄気味悪い笑い声をあげた。
 ばっ、と片腕を突き出し手の平を正面へ向ける、漢と書いておとこ、みたいな勇ましいポーズ(適当)をとると、途端にくらうの服装が黒いはっぴ姿へと変貌した。アニメなどではありがちな演出だが、今ここが二次元だからこそできる芸当である。くらうは小説の主人公となることで、ついに三次元を抜けだし二次元に到達したのだ!
「ばばん! オレは祭り男だからな!」
「おお‥‥服装チェンジは一瞬なのに効果音は自分で言うんだな。で、なんだよその祭り男って。どういう性癖なんだ?」
「ちがーう! 確かにオレは幼女が大好きだが、それとこれとは全く関係ない!」
 くらうが再びババっと勇ましげなポーズをとると、はっぴがめくれたくましい肉体に巻かれたさらしの端から乳首がチラリズム。
「お祭りの時、真ん中のやぐらの上で太鼓叩いてるおっさんいるだろ」
「は? ああ、いるな。ふんどし締めて半裸で叩いてる奴な」
 急な話題転換にきょーこは一瞬戸惑うが、どうにかすぐに反応を示す。
「なんかすげえ偏見混じってるけど、まあ大体そんな感じだ。で、オレもあれやってるんだよ」
「ふんどしか!?」
「太鼓だよ!」
 くらうは再び瞬時に元の服装に戻ると、ベッドの上に腰を落ち着けた。
「地元のお祭り太鼓のグループに入っててな、毎年夏は色んな町内の盆踊りに駆り出されるんだよ。もちろん好きでやってるわけだから、それだけにとどまらず各地の色んなお祭りに行ってみたいわけですよ。実は今の時期(7月末から8月)はほぼ毎週どこかしらの祭りに行かなきゃならなくてけっこー忙しいんだけど、いい感じに阿波踊りには日程合わせられたから、頑張って行ってみようと思って」
 実のところつい先日までは祭りのため地元岡山におり、こちら香川に戻ってきたばかりである。そして阿波踊り翌日の夜には再び岡山で祭りがあるので、何気にかなりのハードスケジュールだったりする。普通ならそんななか自転車で徳島まで行ったりしないが、くらうは普通ではないので(主に頭が)自転車で行く。
「はあー、ホントに好きなんだな」
 きょーこが感心とも呆れともつかない呟きを漏らして、ひょいっと立ち上がった。
「ま、なんでもいいや。とりあえずとっとと準備しよーよ」
「そうだな。まあとりあえず、今回は1泊だけだし、道も知ってる道で険しい山道はなし。寝床も確保できてて、かなり難易度は低めだからな。そんなに気を張る必要もないさ」
「おっ、さっそくフラグを建ててきやがったな」
「まあ、普通の物語だったらこんなセリフ、間違いなくフラグなんだけど。残念ながら三次元じゃあ、ちょっと旅行したくらいじゃそうそう事件なんて起こらないんだよなー。実際今回だって道中何もなかったわけだし」
「うおお、メタ発言に加えてネタバレとか、すげえ重ね技使うじゃねえか」
「要するに、この話はたいして物語的な盛り上がりもないゆるーいお話ですよってことだよ。トイレでうんこでもしながら斜めに読み流す感じで読んでもらうのが一番ですよっていうね、読者への配慮じゃないか」
「まあな、そもそもこれ書いてるくらうが適当だもんな」
「こらこら、バラすなよ」
 文章中にもくらうの性格が顕著に表れているのは内緒。

 とまあ、そんなゆるい感じで出発の準備を始めたくらう。
 ――この旅行中にあんなことが起こるなんて、この時のくらうは予想できるはずもなかったのです。

 とか言う展開はやっぱりないです。

1、 8月13日・徳島へ

「というわけで、季節は夏ですよ」
「まあ、祭りの時期だもんな」
 香川と徳島の県境、そのちょっとした休憩場所で足を休めながらくらうは海を眺めていた。
 休憩場所、とはいっても特に何があるわけでもない、小さな駐車場と簡素な案内板、そして小さなベンチがいくつか設置されているだけの場所である。目の前には広大な海が広がっており眺めは良いが、売店などの建物は何もない。
 くらう宅からはおよそ40kmほどのこの場所は、以前四国一周をした時もちょうどよい中継地点として足を休めたものだ。
 石のベンチに腰をかけると、海沿いだからか、ベンチの根元にさばりついていた大量のフナムシがどしたのわさわさ! と一斉に散らばっていく姿に鳥肌を立てる。
「うおおっ、さすがに気持ち悪いだろこれは‥‥」
 初っ端から戦意をそがれる光景である。視力があまりよくないくせに裸眼のくらうには、違うとわかっていてもその黒っぽい姿と動きから、どこかアレを連想させるので非常に気持ち悪い。
「あはは、すげえゴキブリっぽいな」
「あえてぼかしてんだからわざわざ言うなや!」
「なんだよ、別に言ったところでどうでもいいだろ」
「嫌いなの! 見ただけで血の気が引いて立ち向かうと足がプルプルするくらい嫌いなの! 対戦中は脂汗とかすんげえ勢いで出てくるから!」
「‥‥情けねえこと叫ぶなよ」
「うるせえ。もういいから先行こうぜ!」
 足も十分に休ませたので、くらうはこれ以上何か言われる前に再び愛車にまたがった。
 長距離の自転車旅行である。自転車はもちろん、綿密にチューンされたスタイリッシュなロードバイク――ではない。タイヤのサイズは20インチ。小柄な青いボディにシンプルなデザイン。くらうの愛車、折りたたみ自転車だ。名前はエミリア。なぜ名前がついているかというと、くらうが変態だからである。
 四国一周の時からこのチャリで走っていたのだが、なぜロードバイクではなくあえてこんなチャリで挑んでいるかというと、くらうが変態だからである。一応六段の変速はついているが、普通はこんなチャリで何百キロも走ったりはしない。つまり、くらうは変態である。
「なあ、場所ってどこなんだ?」
「徳島市街だよ。前モゲん家泊まったろ。そのすぐ近く」
 ちなみにモゲとは、くらうの高校時代の友人の名前だ。
 ここで驚くべき事実を発表しよう。なんとモゲとは――本名でなくあだ名である!(ドドン!)
 紆余曲折あってこのような残念なあだ名を定着させてしまった彼であるが、そんなあだ名をいったい誰がつけたというのか。とてもヒドイ話である。‥‥さ、さあ、そんなことするやつはいったいだれなんでしょうね。皆目見当がつきませんなあ‥‥。
 とにかくくらうは再び徳島市に向けて走り出した。
 目的地まで70~80kmとそれなりに長距離の走行ではあるが、ここは前回の四国一周の時にも通った道。しかも今回は鳴門海峡には立ち寄らないので、前回よりもかなり楽だといえる。つまり別段苦労することもないので、残念ながら特筆すべきことはなにもない。
 自転車旅行のお話のはずなのに自転車で走っている間のことを「何もない」と言いきってしまうのもいかがなものかと思うが、まあそこは番外編ということで、大きな心で受け止めていただきたい。

 というわけで、自転車で走った数時間をすっ飛ばして、場所は徳島市モゲ宅である。
「おじゃましまーす。突然ごめんなー」
「んー、別にええよー」
 と、旧友と気楽な挨拶をかわしながら、しかしくらうは1つの懸念を抱えていた。
 ――これでもかというほど雲行きが怪しいのだ。
 実のところ、天気予報によると本日の天気は夕方から雨。到着した現在まではどうにか耐えてくれているものの、これから降り出す可能性は、空を見る限り非常に高い。
 開始時間までモゲと2人でヒトはなぜ生まれ、どこから来てどこへ行くのか(もちろん性的な意味で)について深く語り合っていることしばらく。
「くらうー、降ってきたよ」
 ぼけっと外を眺めていたきょーこがのんきな報告をしてきた。
「うあー、まじかー」
「もう明日にした方がいいんじゃない?」
「いや、明日は岡山だから。明日は明日で別の祭りがあるからそっち行かないと」
「‥‥そういやそんなこと言ってたな」
 調べてみると阿波踊りは雨天中止となっている。しかしそうは言っても徳島市あげての一大イベントだ。少々降り出したからといって、即座に中止の決が下ることもないだろう。
「しゃーない、止むことを祈るか‥‥」
 開始時間まではまだもうしばらく時間がある。こうなってはもう、止むことを祈る以外にできることなどない。
 そして開始時刻まで待つことさらにしばらく、そんなくらうに――奇跡が起こった!
「おおっ、外見てみろよ! 雨が――小降りになってる! よし行こう!」
「それでも降っとんのによー行くわ‥‥」
 若干モゲに呆れられながらも、くらうは小雨のなか自転車で(←今自転車旅行してる)市役所前へと向かった。

2、 8月13日・踊る阿呆に見る阿呆

 小降りなうえ傘は踊るのに邪魔になるので手ぶらで目的地まで向かうと、そこにはかなりの人だかりができていた。どうやらひどい雨ではないので決行してくれるようだ。
 ちなみに、現在くらうがやってきているのは阿波踊りの会場、というのとは少し違う場所だった。
 この阿波踊り、どこか特定の大きな会場があってそこで踊り子たちが踊りを披露する、というのとは少々色が違う祭りである。
 といっても各々好き勝手に自由な場所で踊っているというわけではもちろんなく、徳島県内にいくつか演舞場と呼ばれる、踊りながら通りぬけるための「おどりロード」が準備されており、そこで「連(れん)」と呼ばれる阿波踊りの集団がそれぞれの踊りを順々に披露するのだ(これも阿波踊りの中の一部の話で、これ以外にも阿波踊りが披露される場所や方法など、色々な物があるようだ)。
 そして基本的には、阿波踊りは連に所属し日々踊りの練習をしている人々がその成果を披露するものである。しかし知っている人はよく知っているだろうけれど、連に所属している人間に限らず、一般参加もできるお祭りである。
 一般の人が参加する方法はざっくり言って2つ。まず1つ目はその「連」に所属することである。別に必ずしも所属はせずとも、連によっては本番少し前からその年限りで躍らせてくれるところもあるかもしれないし、連の知り合いでもいればちょっとした助っ人として参加したりすることもできる。現にくらうの先輩は一度、連に所属している知り合いに誘われ、その年限りで参加したことがあるそうだ。
 しかし連に参加するほど本格的にやるのも難しいだろうし、入ってすぐ抜けるのも忍びない。知り合いを作るというのも簡単なことではない。
 そういう人のためにあるもう1つの方法、今回くらうが選択したのもその方法なのだが、それが「にわか連」というものに所属する方法である。
 所属、とはいっても何日も前もって練習する必要があるわけでも、なにか特別な手続きをしなければならないというわけでもない。当日指定された場所に行って、踊る前20~30分ほど簡単な練習をするだけである。非常にお手軽だ。なので阿波踊りに興味がある人はたいていがこちらの方法を採ることになる。
「雨でもけっこー人いるもんだな」
 くらうの頭の上できょーこは濡れることも特に気にせず、辺りを見回して呟いた。雨にもかかわらず、その定められた集合場所にはすでにかなりの人数が集まっていた。
「ん、あそこにでっかい提灯(ちょうちん)みたいなの掲げてるよ。あれがにわか連ってやつなのか」
 くらうもそちらに目を向けてみると、「にわか連」と書かれた提灯に混じって、2つほど他の連の名前が書かれている提灯も掲げられている。どうやらその2つの連が、今回のにわか連指導役となってくれるらしい。指導してくれる連は、説明を聞くところどうやら毎年違うようだ。
 と、しばらくも待たないうちに練習開始の声がかかった。スピーカーを介して響く声に従い、集合場所に建てられているごく小さなやぐら的なものを中心に、くらうたちはぐるりとそれを取り囲むように並ぶ。
「ではまず、手をこうあげて、足はこう運びます」
 と、ざっくりとした説明をくれるにわか連の人に従い、手と足の動きを覚えゆっくりとリズムに合わせて歩き出す人々。踊りに慣れていないとリズムの取り方や足の運びが若干難しいかもしれないが、普段盆踊りで踊り慣れているくらうとしては、おおよそのコツを掴むのにそれほど苦労はいらなかった。
「へえ、なんかそれっぽい動きしてるじゃん。この間の気味悪い踊りよりは様になってるよ」
 頭の上からきょーこの、なぜか上から目線な評価が下される。そんなきょーこは特に練習する気はないらしい。
 大勢の人が集まっているのだから当然、くらうのように踊り慣れている人もいれば、踊りなんぞ触れるのも初めてという人もいるだろう。そのうえこんな付け焼刃にもほどがある練習では、踊る人によって個性が出てしまいてんでバラバラな踊りになることも当然。
 しかし阿波踊りの心は踊りの上手さにあらず。
「手を上げて、足を運べば阿波踊り」
 指導役の連の人がその時教えてくれたものだが、そんな言葉があるように、どんな踊りであろうと、手を上げて進んじゃえばとりあえず阿波踊りなんだそうだ。同じ阿保なら踊らにゃ損損というように、要するに「上手い下手とかどうでもいいからみんなでわいわい騒ぎましょう」ということなのだろう。くらう的には大好きな考え方だ。盆踊りも基本そんな感じだし。
 実際、連によっても踊り方は様々で、「正しい阿波踊り」なんてものがそもそもないらしい。だからその練習も特に必死に覚える必要はなく、とりあえずリズムに合わせてそれらしい動きができればオッケーですよ、という様子だった。
 そんな軽いノリで、この日くらうと同じように集まった大勢の有志たちで練習すること30分ほど。
「それでは演舞場に向かいましょうー」
 そんな声に従い、なんとなーく踊りを覚えたばかりのくらう一行(なんていうとくらうが率いているみたいだけど)は、ぞろぞろとにわか連の提灯に連れられ近くの演舞場へと向かった。
 演舞場を練り歩く順番は決まっており、今はまだ前の連の人たちが踊っている最中だ。にわか連の順番はもう少し。にわか連の面々は演舞場の端っこで待機し、今か今かと来る本番を楽しみにしていた。
 ――そして、練習時は小降りだった雨は、今や豪雨となっていた。
 若干視界がかすむほどの大雨。暗くなるとメガネをかけないと見えないくらうだが、そのメガネには大量の雨粒がへばりつき、必要以上に視界を悪化させていた。
 そして観客は当然のように傘を差しているが、我々踊り子は当然のように手ぶらである。今や全身ずぶ濡れ。服はこれ以上ないほどに水を吸い、べっちゃりと体に張り付いていた。
 普通なら何もかもどうでもよくなるほどに意気消沈しそうな状況だが、しかしここは祭り会場である。
踊る阿呆に見る阿呆。つまりここにいる人は全員阿呆。
 そんな感じで、雨に濡れながらも、待機する人々は妙にハイテンションだった。
 そしてそれは当然、くらうも然り。
「あはは! きょーこ、雨すげえな! ここまで濡れたらもうどうでもよくなってくるな!」
「なんでテンション高けぇんだよ‥‥」
呆れるきょーこは相変わらず頭の上。濡れないのかと尋ねると、「濡れてもタオルで拭きゃ一発だから。あたしの体、水吸う素材なんて使ってないし」と相変わらずしれっと人間であることを否定していた。でもモノ扱いすると怒るのだから、きょーこの扱いはとても面倒臭い。
 そして、待つというほど待つこともなく、ついににわか連の順番がやってきた。
「よっしゃあ! じゃあ行こうか!」
「うおー!」
 と、踊りが始まると、くらうと共にきょーこのテンションも上がっている。
 連の人たちが打ち鳴らす太鼓と鐘の音に合わせて、ひょいひょいと軽快に手をあげ、足を運んで大雨の中、くらうたちは演舞場を闊歩し始めた。
 ずぶ濡れになりながらも、さっき覚えたばかりの踊りを見よう見まねで、各々が好き勝手に、そして楽しそうに踊っている。
 演舞場の両端には傘をさした観客達がその様を眺め、中に知り合いでもいるのか記念のためにか写真を撮っている人もいる。
 そんな大勢の人々に見守られながら、くらうは覚えたばかりの拙い踊りで、大雨の中演舞場の向こう側を目指して踊り続ける。前を見ても横を見ても後ろを見ても、少しずつ違っていて、だけど同じ踊りをみんなで踊っている。その光景は見ているだけで気持ちを高ぶらせ、踊っているとさらに高揚してくるようだ。
 長いような短いような数分間。演舞場の端まで踊り終えると、にわか連の人々はうおーっと謎の雄たけびを上げて、今日初めて会ったばかりの人たちと謎のハイタッチを始める。もちろんくらうもその流れにノって、たまたま目があった数人と謎のハイタッチを交わした。
 覚えたばかりの下手くそな踊りで、ほんの数十メートルほど練り歩いただけにもかかわらず、なんだかすごく達成感とか、よくわからない興奮が胸中を支配していた。雨のせいで無駄にテンションが高くなっているというのも少なからずあるだろうけれど、それでもこの数十分間はそれほど濃密な時間であったと思える。
 そしてにわか連の人々は――暗黙の解散となった。
 さてここで問題です。遊びに来ただけのくらうには土地勘がありません。集合場所から演舞場までちょっと歩きました。演舞場もそこそこの長さがあります。終わって突然放り出されました。さすがに演舞場の中を逆走はできません。雨降ってます。
 さて、くらうはどうなるでしょう。
「‥‥‥‥」
 くらうは辺りを見回して、とりあえず屋根の下に避難して――
「おーーーーーい!」
 サイヤ人の王子の息子並に叫び声を上げた。
「いやいやいや、ここどこだよ! 迷った! 見事に迷った! いや、巧妙な策略にハマって迷わされた!」
 これは非常にマズイ。これはきっと祭りに釣られてやってきた間抜けな参加者を道に迷わせ、近くにいる人に道を尋ねたら人気の無い路地裏とかに連れ込まれ、頬に傷のある優しいおじさんにお願い(物理)され海外で過酷な労働を強いられ、毎日毎日舟をこぎ続けたり鉱山を開拓したりし続けることになり、そして最終的には臓器を生活の糧にするほかない状況に追い込まれてしまうに違いない。
「‥‥ごめんきょーこ。オレたちの旅はここで終わってしまうようだ」
 がっくりとうなだれるくらうに、しかしきょーこは「安心しろ」と力強い声をかけてくれる。
「前作であと2つはお話し書けるって言ってただろ。だから少なくともあと2回は旅行行けるじゃねえか」
「そういやそうだ! よし頑張ろう!」
 力強くて説得力もある、というか確定要素のメタ発言に助けられ、くらうは再び元気を取り戻す。
「まあ、とりあえずケータイでナビ見りゃ一発だろ」
 きょーこがくらうのズボンからスマートフォンを引っ張り出し、自分の体よりも大きいそれを操作し始める。どうやって操作しているのかはみなさんの想像力にお任せします。
 が、そこで大変な問題が――!
「た、大変だくらう! このケータイ防水機能が付いてない!」
「そういやそうだ! やべぇ!」
 きょーこの手からケータイを奪い返して操作しようと試みるも、その精密機械は画面のオンオフ以外の操作を一切受け付けず、点灯した画面は右に左に小刻みかつすごい勢いでガタガタと震え続けるのみである(事実)。
なんかこの光景はもはやちょっとしたホラーだ。真っ暗な廃墟とかでこの現象が起こったら多分泣く。そして大雨で道に迷った時に起こったら確実に泣く。
 画面を拭こうにもタオルなんかも持っていないし、全身濡れ鼠では服とかで拭きたくても拭く場所などあるはずもない。まあタオル持っててもずぶ濡れだろうけど。
 くらうは眼から滂沱の雨粒を滴らせながら半ば放心状態。
「‥‥参った。どうしよう」
「あ、一瞬動いた。あ、でもまた止まった」
 きょーこがどうにか画面をいじっていると、その画面がほんのわずか反応を示した。
 しかしまたすぐにガタガタと震え始める。やはり画面についた水滴と、指先の水滴が良くないらしい。それに中にもいくらか雨水が入って、不調を引き起こしているのかもしれない。
 くらうはきょーこから再びケータイをとり返し、試行錯誤を重ねる。
「‥‥ちょっとずつ、動くぞ。根気よくやれば、どうにか‥‥」
 どうにかコツをつかみ、少しずつ操作を繰り返す。画面をオンにした時ほんのわずかな時間、操作を受け付ける瞬間がある。その隙に1つずつ操作を進め、どうにかマップを起動することに成功した。
「キタァ!」「よくやったくらう!」
 しかしそれだけで喜ぶのはまだ早い。周辺の地図がわかったところで、そこがどこなのかわからなければなんの意味もないのだ。現在地の広域を表示したいだけなのに、すごく手間がかかる。しかしこれも己が臓器のためである。大切な臓器を売り飛ばすハメにならないためにも、ここは辛抱強く頑張らなければならない。
「わかったぁ! こっちの道を進めば駅前に出られる。そこに行けばなんとか道がわかる!」
 土地勘はないが、一応以前来たことがある場所だ。駅から徳島大学までの道はどうにかわかるし、大学に着けばモゲの家までもすぐに向かえる。どうにか臓器を担保にする危機からは逃れられたようだ。
「危なかった。こんな番外編で臓器を失うわけにはいかないもんな」
「あたしは臓器ないからな。別に大丈夫だ」
「いーや、わかんねえぞ。体を売られるかもしれない」
「ハッ! 確かに売られるかもしれないな。アニメショップに!」
 などとアホな会話を交わしながらどうにか駅前へ。そこから国道を辿ってモゲの家へ向かう。
「あ、ていうか市役所行って自転車回収しないと」
「そういやそうだな。一応主役だもんな」
「一応とか言うなや」
 ちょっと大回りをしながらも市役所まで帰り、自転車を回収する。駐輪場に停めさせてもらっていたので、唯一雨の被害からは免れたようだ。この自転車、エミリアを愛してやまないくらうとしてはそれだけで十分である。
「しかし、うろうろしてるうちにまた小降りになってきたな」
 空を見上げると、先ほどまで間接的にくらうの臓器を襲っていたはずの豪雨は、いつの間にか鳴りを潜めている。
「せっかくだしさ、近くの演舞場も見に行ってみようよ」
 きょーこの提案に反対する理由もなく、くらうは近くにあった先程踊ったのとは別の演舞場へと足を伸ばしてみることに。
 その演舞場は、両脇に数段の立派な客席が設けられており、この辺りの無料演舞場の中では一番立派なのではないだろうか。テレビに映ったりするのも大抵ここだし。
 しかし先ほどまでの雨のせいか、客の数は多いとは言い難い。とりあえず適当な場所に座って踊りを眺めていると、何の嫌味か知らないが次第に雨脚が強くなってきた。とりあえず近くの屋根の下に避難していると、雨は再び豪雨へと変わっていった。
「おいおい、こりゃヤバいな」
「うん、降ったり止んだりうっとーしいなあ」
 きょーこの呟きに答えると、しかしきょーこはバシ、とくらうの頭を小さな体の割には強力な拳で叩いてきやがった。
「バカ、そこじゃねえよ! ほら見ろよ、そこのたこ焼きの屋台。屋根から落ちてる雨水が具に思いっきりかかってるぞ。あれじゃもう食えねえ。ヤバいだろ」
 しかも訂正した内容もどうでもよかった。なんでこんな理不尽な暴力を受けなければならないのだろう。
 そして阿波踊りも一旦中止となってしまった。
 とにかく雨がやむまでは動くに動けない。仕方なくくらうは、その場でしばらく雨宿りすることとなってしまったのだった。

3、 8月13日・見る阿呆。かと思ったらやっぱり踊る阿呆でした。

 先ほどまでの豪雨はそれほど待つこともなく、しばらくするとすぐに過ぎ去ってしまった。
とはいえ降ったり止んだりの繰り返しなので、あまり気は抜けないが。
「んー、どうしようかな。また降ってきたらうっとーしいし。今のうちに帰ろうか」
「でも踊りは再開したみたいだよ。せっかくだしもうちょっといればいいじゃんか」
 聞こえてくるアナウンスによると、きょーこの言うようにまた始まっているようだ。確かに年に1度のお祭り。今年来れるのは今日だけで、来年以降も来れるかどうかわからない。ならば少々無理矢理居座るのも手かもしれない。
「それもそうだな。んじゃせっかくだし、もうちょっと見ていこうか」
 再び会場に戻り、濡れたベンチに腰を下ろす。ズボンもすでにずぶ濡れなので、今更濡れるのなんて全く気にならない。というよりこれ以上濡れることなんてない。
 見ていると、次から次へと様々な連が様々な阿波踊りは披露してゆく。手を挙げて足を運べば、というように基本はどこの連も同じはずなのに、それぞれが少しずつ違った個性を持っていて、同じ踊りを見続けているはずなのに飽きることがない。踊り子の年齢も様々で、じいちゃんばあちゃんばかりの連もあれば、幼い子供が踊っているような連もある。
「おいくらう! あそこにくらうの大好きな幼女がいるぞ!」
「はは、言われるまでもなくバッチリ見てるぜ! 来て良かった!」
 そうして舐めるように幼女を凝視していることしばらく、どうやらついに終わりの時間が近づいてきてしまったようだ。楽しい時間が過ぎるのは早いものだ。
 最後の連の踊りを眺めていると、不意に場内アナウンスが最後に似つかわしくない弾んだ声で観客に告げた。
 そしてその声に反応して、観客席と演舞場との仕切りが一部、開かれたのだ。
そう、最後に、みんなで一緒に踊りましょうという粋な計らいがまだ残っていたのだ。
「マジか! 見るだけの気だったけどラッキー! もう1回参加できる!」
くらうは弾んだ足取りで演舞場へと身を躍らせた。降ったり止んだりの雨も、今は観客の熱気に圧されてかすっかりその勢力を失い、大人しくしている。
「やったな! な、あたしが残るように言ったおかげだろ! 感謝しろよ!」
 その通りといえばその通りだが、きょーこにそんな言われ方をすると腹が立つ。
 しかし今日は楽しいお祭りである。そんなことで腹を立てても仕方がない。瀬戸内海のように心の広いくらうは、きょーこの脳みその薄い発言を寛容に許し、嬉々として演舞場へと足を向けた。
 やはり祭りを楽しみに来た人々ということか、会場にいた人のかなり多くが演舞場へと足を踏み入れている。
 くらう含む一般の人々の前には先程の連の人たちがおり、太鼓に鐘を鳴らして「やっとさー、やっとさー」という独特の掛け声の下、にわか連よりもさらに統一のとれない、しかしやたらと楽しそうな空気感のなか、人々は手を挙げて足を運んで好きなように踊り始めた。
 恥ずかしそうにおずおずと踊っている人もいれば、陽気にリズムにのって足を進めている人もおり、てんでリズムがずれているけれど楽しそうな人もいれば、なんかどう見ても流れに沿って歩いているだけの人もいる。
 くらうとしてはやたら腰の低い姿勢で豪快に踊るおっさんがやたら目を引いたのだが、なんとも自由気ままな阿波踊りは見ていて、そしてその集団の中で踊っていてとても楽しかった。
 先程と違って練習は一切行っていないのだから、統一感の無さはにわか連以上。だけどその熱気は負けず劣らず。
 きょーこも踊りの熱に浮かされ、くらうの頭の上でちょこちょこと快活な踊りを繰り広げているようだ。なぜ頭上の光景がわかるかというと、作者特権だ。
 そして今度こそ本日最後になる阿波踊りは、盛大な盛り上がりのもとついに終わりを告げた。
 にわか連の時のようなハイタッチは起こらなかったものの、知らない人同士の一体感はなかなかのものであった。
 最後まで踊ることができて、それだけでくらうは大満足だった。

 徳島の一大イベント阿波踊りはこうして、雨の猛威にも負けることなく盛大に幕を閉じたのであった。

4、 8月14日・帰り道

 前日の夜はモゲと一緒に駅前の店で徳島ラーメンを食い、疲れていたこととモゲがレポートとかそういう類で忙しかったこともあり、くらうは前回のように深遠なテーマ(もちろん性的な意味で)で長々と論議することもなく早々に就寝することとなった。
 そして翌日、朝一番にモゲの家を後にしたくらうは――何事もなく家に着いた。
「おいおいおい! 仮にも自転車旅行だろ!? 探訪記だろ!? なんで自転車シーン1行なんだよ!」
「いや、だって何もなかったし。特に新しい発見もなかったし」
 くらう宅にて、さっそくきょーこのツッコミが入ってしまった。確かに章タイトルが「帰り道」なのに道中が1行なのは少々いただけないかもしれない。しかしくらうは寛容なのでそのような些事は笑って流せるのだ!
「まあつまり、もっと自転車に乗ってるシーンが読みたい人は、是非前作を読んでねっ☆ということで」
「ステマだな!」
「のん、のんっ、のぅんっ! ダイレクトっ!」
「いやらしく自分の宣伝してるって意味じゃあどっちでも変わんねえだろ!」
「やらしくなければ生き残れない!」
「安心しろ。くらうは十分すぎるくらいやらしいと思うぞ」
「もちろん性的な意味で!」
「自分で言ってんじゃねえよ!」
「だって今さっきも、「やらしい」で間違えて変換キー押しちゃったら、なんかヤだけカタカナになったくらいだしな。日常的にカタカナのヤを単品で使っておりますゆえ」
「なんで胸張って言うんだよ!」
「それがっ、オレの誇り!」
「最低の誇りだな!」
 そんなこんなで相変わらずきょーこと謎の言い合いのような何かをしながら、今夕の岡山での祭りに向かうため、くらうは忙しなく再び出かける準備を始めるのだった。

 おしまい

くらうの自転車探訪記 番外編 ―阿波踊り編―

 こんにちは、ほとんどの方が初めましてになると思いますが、くらうでぃーれんと申します。
 自転車旅行記第2段ということで、徳島県は阿波踊りに行って来ました。まえがきでも作中でも言ってますが、早くも番外編です。理由は作中で述べている通りですが、試し読みとしての意味合いが一番大きいと思っています。前作は初投稿ということもあり、また普段ネット小説ではなく普通の(といってもライトノベルですが)長編作品ばかり書いているので、他の方の作品を見ていてもくらうのは読みづらいなあと我ながら感じていました。そう思って短めに、かつ章区切りを個人的にかなり短い頻度でしてみたのですが、いかがでしょうか。普段が文庫作品を意識して書いているので、どうも短く章を区切ることに慣れません‥‥。
 何度も言いますが、この作品は試し読みとしての意味合いを強く込めて書いています。なので少しでも面白いと感じていただけたなら、前作の四国一周編も読んでいただけたら嬉しいです。そしてもう1つ投稿している二次創作作品の「DotQuest」。こちらにも目を通していただけると、すごく嬉しいです! 正直、この作品は自分でもかなりの力作だと思っているので、是非1人でも多くの方に読んでいただきたいと思っています。‥‥ただまあ、力を入れすぎて、しかもいつもと違って応募規定とかもなく、調子に乗ってアホみたいに長編にしてしまったので、読むのには少々気合いがいるかもしれないです。文庫換算でおおよそ500ページくらいありますのでェ‥‥。
 くらうは今後とも新人賞と並行して投稿していきたいと思っているので、あまり早いペースではできないでしょうが、多くの作品を投稿していきたいと思っています。まだまだ精進の足りない文章ではありますが、応援していただけたなら幸いです。
 次回作の予定もすでにあるのですが、そちらは旅行の日数的にも四国編の半分くらいの文章量になるかなという感じです。いつになるかはわかりませんが、くらうの作品を楽しみにしていただける方を1人でも作れるよう、頑張っていきたいと思います。
 それでは、最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

くらうの自転車探訪記 番外編 ―阿波踊り編―

くらうの自転車旅行第2段は、早速番外編です。前回のがやたら長く、試し読み的な意味合いを込めての番外編です。文庫本にして30ページ少々の長さになっていますので、かなり気軽に読んでもらえるのではないかと思います。 この小説は私が実際に行ってきた自転車旅行での出来事を基にした作品です。実際は1人旅でしたが、そこに『旅のお供』との掛け合いを加え、『現実』での出来事に『架空』の会話などの要素を組み合わせた作品となっています。つまりこの作品はノンフィクションでありながらフィクションでもある、ハン(半)フィクションとでも言うべきジャンルです。 阿波踊りに参加するため徳島へと訪れたくらう。2度目の来訪ということで気を抜いていたくらうだが、果たしてそこで待ち受けていた試練とはァ!?(多大な誇張表現が含まれています) この作品は小説投稿サイト【小説家になろう】にも投稿しています。内容は同じです。

  • 小説
  • 短編
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

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  1. 序、 ぷろろーぐ ~ メタ発言ばっかりだヨ! ~
  2. 1、 8月13日・徳島へ
  3. 2、 8月13日・踊る阿呆に見る阿呆
  4. 3、 8月13日・見る阿呆。かと思ったらやっぱり踊る阿呆でした。
  5. 4、 8月14日・帰り道